10月30日に鈴鹿サーキットで決勝が行われた2016年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 最終戦「第15回JAF鈴鹿グランプリ」。

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今シーズンのスーパーフォーミュラーは大混戦。この最終戦の鈴鹿予選終了の段階でチャンピオン候補がなんと6人!

決勝はRACE1、RACE2の2レース制で行われ、各レースともに優勝は8ポイント、予選でのポールポイントは各レース1ポイントずつということで、最大18ポイントを獲得できるレースとなっています。

このレースの両方のポールポジションを獲得したのが昨年のチャンピオン、P.MU / CERUMO・INGING SF14の石浦宏明選手。しかし石浦選手がチャンピオンを獲るためには、ポールポジションを獲得しながらもなお両方のレースで優勝しなくてはなりません。

RACE1の直前の時点でポイントランキングトップは、ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14の関口雄飛選手。しかし予選が全く振るわず18番手からのスタート。

ランキング2位がP.MU / CERUMO・INGING SF14の国本雄資選手。RACE1は2番手からスタート。

RACE1ではポールポジションの石浦選手、セカンドポジションの国本選手ともに同じチーム。同じチーム同士でのチャンピオン争いは精神的な負担がかなり大きいのではないでしょうか。

スタート時刻9時49分22秒。見事なスタートを決めたのは国本選手。トップで第1コーナーを抜け、そのままS字コーナーへと進入していきます。

2周目以降も2位のVANTELIN TEAM TOM’S アンドレ・ロッテラ選手をどんどんと引き離していきます。

危なげないレース運びで確実に後続を引き離しトップをキープ。

国本選手はRACE1で見事に優勝を決めました。チームメイトの石浦宏明選手は残念ながらチャンピオン争いから脱落です。

RACE1で優勝を決めた国本選手。これでランキングトップに躍り出ます。しかしRACE1の時点でもチャンピオン候補は4人。素直に優勝を喜ぶにはまだ早いのか、国本選手の表彰式での面持ちは険しいまま。

つづくRACE2。予選3番手の国本選手はグリッドでも平常心のように見えましたが、実際の闘志はかなり燃え上がっているのではないでしょうか。

好スタートを切ったのはDOCOMO TEAM DANDELION RACINGのストフェル・バンドーン選手。石浦選手のスタートも堅実ではあったものの、バンドーン選手のロケットスタートはそれを大きく上回っていました。

最もチャンピオンに近いはずの国本選手はスタートに失敗し、スタート周のS字コーナー進入では6位まで後退してしまいます。

その後のバンドーン選手はかなりの勢いに乗って周回を重ねていきます。

RACE2は35周という比較的レース距離の短い周回数ですが、タイヤ交換義務があるために1周目からタイヤ交換でのピットインをするチームも比較的多く、4番手を走行していたVANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴選手などもピットイン。4番手以降の順位が大きく変わります。

ランキングトップの国本選手、第5戦岡山のRACE2では1周目ピットイン作戦で優勝をもぎ取りましたが、今回はなかなかピットインをしません。23周目に各車ピットインをした段階でも、国本選手とKONDO RACINGのジェームス・ロシター選手はピットインをしていません。

24周目にREAL RACINGの伊沢拓也選手がスプーンコーナーでクラッシュしセーフティーカー導入となると、23周目には暫定トップとなっていた国本選手がやっとピットイン。タイヤ交換をしてコースに復帰します。このときの順位は7位。トップはバンドーン選手に。国本選手は優勝からは程遠い位置となってしまいます。

27周目にセーフティーカーが解除されると残り7周はスプリントレースの様相。バンドーン選手のトップは変わらず。ここで2位の石浦選手と3位のロッテラー選手がオーバーテイクシステムを使って追い上げようかという矢先、29周目最終コーナーでTEAM 無限の山本尚貴選手がクラッシュ!

またしてもセイフティーカーが導入されます。

32周目にセーフティーカーが解除されると、残り4周。ここでレースが大きく動きます。3番手を走行していたロッテラー選手が石浦選手をオーバーテイク!2位に浮上しバンドーン選手を追いかけます。ラップタイムはロッテラー選手のほうが速く、見る間に差をつめてきますが、バンドーン選手も動じません。

ロッテラー選手はバンドーン選手を0.7秒台まで追い詰めますが、もうそこはファイナルラップのコントロールライン。トップチェッカーはバンドーン選手の頭上で振られることになりました。

国本選手は6位でフィニッシュ。このチェッカーで2016年スーパーフォーミュラーのシリーズチャンピオンが決定。

来年からマクラーレンからF1に参戦することが決定しているバンドーン選手にとって、日本でのシリーズ参戦はこの鈴鹿戦が最後となります。

その最後のレースを優勝で飾ったバンドーン選手は、まさに有終の美。

同じパルクフェルメでは、チャンピオンとなった国本選手が、予選、決勝を含めて2日間のレースで初めて満面の笑みを見せてくれました。

2016年スーパーフォーミュラーで新しく誕生したチャンピオン、国本雄資選手。スーパーフォーミュラーの大きな大きなトロフィーに、国本選手の名前が刻まれることとなりました。

(写真・文:松永和浩)

最終戦鈴鹿で新チャンピオン誕生!バンドーンは有終の美【スーパーフォーミュラー2016】(http://clicccar.com/2016/11/03/413220/)