「ダイ・ビューティフル」ジュン・ロブレス・ラナ監督(右)

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 第29回東京国際映画祭コンペティション部門の観客賞が11月3日に発表され、フィリピン映画「ダイ・ビューティフル」が栄光に輝いた。授賞式に出席したジュン・ロブレス・ラナ監督は、受け取ったトロフィを胸の前で掲げて、プロデューサーのペルシ・インタランとともに満面の笑みを浮かべた。

 ラナ監督は「コンペティション部門に選出されること自体、驚きでした。本当にありがとうございます」と感謝を述べ、「この受賞によって、映画が言語、人種も関係なく、結束を強めてくれるものだと確信しました」と語った。

 映画は、美しく生きることを懸命に貫きながら、急死したトランスジェンダー、トリシャ(パオロ・バレステロス)のおかしくも哀しい軌跡を、巧みなフラッシュバックを駆使して描く物語。ラナ監督が、2014年にフィリピンでとあるトランスジェンダーが殺害され、ネット上で事件に対しての心無い意見をいくつも目にしたことが本作の構想のきっかけになっている。

 ラナ監督は、12年の米国アカデミー賞に「ブワカウ」が代表作品に選出されるほか、ロシアのウラジオストク国際映画祭、インドのケララ映画祭で受賞歴があるなど、フィリピンで最も売れっ子の映画監督のひとり。第26回東京国際映画祭では「ある理髪師の物語」がフィリピン作品として初の最優秀女優賞を受賞。本作で2度目の快挙となった。

 第29回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。