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我々の50年以上に渡る”当たり前”の日常習慣が変わる日もそう遠くないのかもしれない。

先日、サイバーエージェントが2016年9月期の決算を発表。売上高3,106億円(昨年比22.1%増)、営業利益367億円(12.3%)と好調と言える結果で期を終えた。

広告事業、ゲーム事業が好調な一方、4月に開局した「AbemaTV」などが属するメディア事業は、売上高219億円(6.0%減)、営業損益は83億円の赤字(前年同期は2.9億円の赤字)と”先行投資期”という位置づけのため、決算数字上では”苦戦”とも言える。

AbemaTV開局後1,000ダウンロード突破

AbemaTVは4月に開局し、アプリダウンロード数はまもなく1,000万、MAU(月次アクティブユーザー数)で約600万、WAU(週次アクティブユーザー数)で約300万に到達するようだ。藤田晋氏いわく、開局約半年という短期間で上記の数字は「手応え的には十分」とのこと。

TVをスマホで見ることが”日常習慣”となるか

インターネットやスマートフォンの普及により、リプレイスされたTVの若者離れが進んでいると言われているなか、登場したAbemaTV。これまで「スマートフォンで日常的にTVを見る」という習慣は我々の中にはない。日常習慣を変えることがAbemaTVの成功するカギになるであろう。

藤田氏いわく、「野球の日本シリーズとかサッカー日本代表の試合を放映すれば、短期的には伸びる。しかしそれでは意味がない。視聴習慣としてAbemaTVを開くという状況を作っていく。基本的には”継続性”というのをもっとも重視する」とのことだ。

サイバーエージェントとしては、来期も先行投資として200億円をAbemaTVに投資し、AmebaTV視聴の習慣化を目指す。

そのためにも、11月以降は「Apple TV」「AndroidTV」を順次対応し、その後テレビデバイス対応にも取り組むとのこと。また、来年1月ごろを目処に、よりスマートフォンでの視聴をしやすくするため縦型にも対応予定。バックグラウンド再生も同時に行っていくという。

「現在は300万WAUだが、この3倍ぐらいはないとビジネスモデルとして成立してるとは言えない。そこに到達するまでは、今後も積極的な投資をおこなっていくつもりだ。」

ただサービスを提供するだけではなく、その先にある我々の習慣から変えていこうとしている藤田氏。その実現には、本人も言うように長い時間がかかるだろう。

サイバーエージェントの新たな取り組みが成功であったか否か、この問題の答えを出すのはまだ早いようだ。

ReadWrite[日本版]編集部
[原文4]