韓国のヒュンダイモーター(現代自動車。以下ヒュンダイ)、ドイツの総合化学会社 BASFは、レーシングカーモデルのコンセプトカー「RN30」をドイツの展示会で展示し、「化学の力」を取り入れた斬新なデザインとテクノロジーを披露しました。

1

今回、両社が出展したのは10月19日〜26日までドイツ・デュッセルドルフで開催されたK Fair(国際プラスチック・ゴム産業展)で、展示されたコンセプトカー「RN30」は2017年初頭に新発売される市販モデル「ヒュンダイi30」シリーズの原型となるということです。

高性能車の車体軽量化では炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用する例が多いのですが、展示された「RN30」はBASFが提案する合成樹脂の軽量素材を採用しているのが特徴です。

たとえば「RN30」のフェンダーやスポイラーのように曲面を複雑に組み合わせたデザインを軽量化と両立するために、BASF の硬質樹脂材料であるElastolit(登録商標:エラストリット)や、ボディパネル用に開発された反応射出成形(RIM)技術が採用されています。

BASFによると、同社のエラストリット樹脂は優れた流動性を備えており、「RN30」 のフェンダーやスポイラーのような非常に難易度の高い設計を可能にしています。しかもエラストリット樹脂で成形された部品の表面は、仕上げ加工なしで塗装できるクラスA サーフェスの高品質だということです。

また、「RN30」には随所に「化学の力」が活躍しています。項目だけを列挙しても、1.電子基板などの電子コンポーネント、2.ダッシュボードの樹脂材料、3.ウィンドウ・フィルム、4.座席シートの骨格、5.ロールバー、6.フェンダーとスポイラー、7.車体の遮熱塗装、8.座席シートの表面材とステアリングホイール、9.ブレーキ液、10.トランク・フロアーに、それぞれ化学素材が使用されています。

このように見直してみると、1台のクルマには実に多くの化学素材が使われていることに改めて驚かれる方も多いかと思います。しかし、これはガソリン車の場合。EVやHV・PHVのような電動車になれば、これにバッテリー関係の化学素材が加わり、ますます「化学の力」が活躍するフィールドが大きくなります。

改めて1台のクルマに使われている化学素材の種類の多さと、「化学の力」に気付かされた両社のK Fairの展示でした。

(山内 博・画像:BASF)

ヒュンダイとBASFがレーシングカーモデルのコンセプトカー「RN30」をドイツの展示会で披露(http://clicccar.com/2016/11/03/413624/)