日銀当座預金を民間銀行の「預金」と勘違いする人々へ

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「ダイヤモンド・オンライン」で見た
民主党ブレーンだった方の興味深い論考

 この「ダイヤモンド・オンライン」(DOL)で、興味深い論考があった。

 11月1日の田中秀明氏による「『日本は借金が巨額でも資産があるから大丈夫』という虚構」である。田中氏は財務官僚出身で、民主党政権時代にブレーンになっていた人だ。

 この記事は、2015年2月5日の筆者の「国の債務超過490兆円を意外と簡単に減らす方法」への反論だろう。これは、日銀のマネタリーベースには実質的な債務性がないことを使うと、統合政府ベースで実質的に国債はなくなることを書いたものだ。

 田中氏の論考は長く誤りが少なくないが、ここでは次の一点に絞っておこう。

 11月1日付けのDOLの論考で、

 《「統合政府ベースで、日銀が保有する国債を相殺することができても、日銀に預けた民間の預金は負債として残り、統合ベースで見た場合に負債が減ることはない。もし、政府が強制的に負債の部から預金を落とし政府の負債を減らすというのであれば、それは国民から貯蓄を奪うことであり、言い換えれば、預金に対して100%の税率で課税することになる。先ほど連結のBSで説明した、日本郵政が保有している国債と同じことだ。」》と説明している。

 この記述は誤りである。

 それを明らかにするために、田中氏の記事中にある「表2日本銀行の貸借対照表(2014年度末)」を見ていただきたい。日銀BSを見慣れた者から見ると、その中に不可解な項目がある。負債の中の「預金」である。

 出所にわざわざ「作成」と書かれているが、単にBSを見るならば、営業毎旬報告(平成27年3月31日現在)を見ればいい。

 それをみれば、「預金」ではなく「当座預金」と書かれている。

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