2016年のノーベル平和賞は半世紀に及ぶ左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)との内戦終結に向けて和平協議を主導し、合意にこぎ着けたコロンビア・サントス大統領に授与された。これを機に、同国のガブリエル・ドゥケ駐日大使がこのほど記者会見した。

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2016年のノーベル平和賞は半世紀に及ぶ左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)との内戦終結に向けて和平協議を主導し、合意にこぎ着けたコロンビア・サントス大統領に授与された。これを機に、同国のガブリエル・ドゥケ駐日大使が日本記者クラブでこのほど記者会見した。「ノーベル平和賞は全てのコロンビア国民が取り組む和平への連帯を国際社会が示してくれた」と指摘。「大統領は今年のクリスマスまでに和平交渉を終結させたい決意だ」と明言した。発言要旨は次の通り。

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コロンビアは麻薬がはびこり治安が悪いとか暴力が蔓延(まんえん)した国というイメージが強く、ゲリラによる暴力も52年も継続した。コロンビア政府はこれらの暴力的状況の中で和平の道を模索し、平和な国家づくりに努力してきた。1980年から始まったゲリラとの交渉を経て、FARC などゲリラグループとの戦いが続いた。

サントス大統領はFARCとの内線終結に向けて和平協議を主導し、いったん合意にこぎ着けたが、その後の国民投票で合意案は否決された。国民投票ではノーとイエスの差は人口の5%にも満たなかったが、サントス大統領は、「否決」された投票結果を受け入れるという結論を出した。その後、サントス大統領は国民に提案を呼びかけ、「賛成」「反対」の両グループから、今までに400の提案が出ている。

コロンビアは日本の3倍の面積に人口4900万人。アンデス山脈から太平洋岸まで多様性の宝庫である。50年間でマイナス成長は1年間だけで、経済は安定している。十数年前に比べ治安の悪さや暴力的傾向が改善され、社会的安定をもたらす中間層が拡大している。
ゲリラとの対立は武力では解決しない。政府は国内対話を進め、和平交渉を推進した。まず紛争を終結することが大前提となる。より包摂的で持続可能な和平としたい考えだ。大統領はクリスマス前の交渉終結に強い意欲を示している。

大統領のノーベル平和賞受賞は全てのコロンビア国民が取り組む和平への連帯を国際社会が示してくれた。中でも内戦の犠牲者と家族を支援する意味は大きい。(八牧浩行)