市立船橋の「神出鬼没」MF郡司篤也が代表デビュー戦で衝撃の4得点

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[11.2 練習試合 U-16日本代表候補 6-1 履正社高 J-GREEN堺]

 市立船橋高の郡司篤也にとって、今回のU-16日本代表候補合宿は初めての日の丸だった。今季の高校総体で5得点をマークするなど、まさに怖いもの知らずの1年生にとっても、初めての舞台でさすがに日本代表の重みを「すごく感じていました」と言う。結果、練習からガチガチ。「自分の良さを全然出せていなかったし、遠慮がちだった」と振り返る。森山佳郎監督もそんな郡司に「『いったい何回同じことを言えばいいんだ!?』と怒りましたし、本気でチームに返そうかと思った」と、苦笑いを浮かべる。4日間の合宿のうち、3日目午前までの評価が非常に低いものだったのは間違いない。

 ただ、本人の中では徐々に溶け込んでいく感覚もあったと言う。そして迎えた合宿3日目午後に行われた履正社高との練習試合では、後半から出場して大爆発することになる。開始早々に失点する最低の立ち上がりになったが、まずはその直後の2分だった。MF本間至恩(新潟U-18)のパスから斜めにPA内に入っての左足シュートを突き刺すと、4分にはミドルシュートのこぼれ球に抜け目なく詰めて2点目を奪い、さらに味方が2点を加えた後の23分には右クロスをボレーで叩いて、ハットトリック。最後はアディショナルタイムにもバーに当たったボールの跳ね返りを拾って、4点目を奪い取った。「点を取れるようなところへ神出鬼没に現われる」と森山監督も舌を巻く活躍ぶりで、6-1での勝利に大きく貢献。後半40分のみの出場ながらシュート5本で4得点という決定力を見せ付けることとなった。

 ただ、本人は単に点を取ればいいという考えでもないようだ。所属の市立船橋でも「監督の要求する基準が上がってきているのは感じている。球際、切り替えをもっとやらないと、市船でも(Bチームに)落とされると思う。それはこの代表にも通じているところ」と言う。朝岡隆蔵監督からは「1年でいきなり活躍して、2、3年になったら潰れていた選手も過去にはいる」と厳しく言われているそうで、この日の活躍でも決して満足した様子は見せなかった。

 満足できなかったと言えば、試合終了直後に“一発芸”を無茶ぶりされる流れで、果敢に謎の芸を披露し、欠片も笑いを取れないという一幕があった。笑いの本場・大阪の地で完全に滑ってしまい、「通用しなかった」と猛省。もっとも、初めての代表合宿で馴染みの選手もほとんどいない中、「そういうキャラじゃないんですけれど、少しでも馴染めればと思って」トライする姿勢は郡司の持ち味であり、もしかすると4得点以上に代表で生き残っていく可能性を示唆するものだったかもしれない。

(取材・文 川端暁彦)