(左から)撮影監督のチュー・ジンジン、メイ・フォン監督、主演のファン・ウェイ、女優のシー・イーホン、

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 第29回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「ミスター・ノー・プロブレム」が11月2日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、メイ・フォン監督、主演のファン・ウェイ、女優のシー・イーホン、撮影監督のチュー・ジンジン、プロデューサーのグオ・ヨンハオ氏、チョウ・キョン氏が会見した。

 魯迅と並ぶ中国近代文学の巨匠の老舎が、1943年に発表した短編小説が原作。大農園を持つ富裕家族と、その家族に仕える処世術に長けた番頭を軸に、家族に起こる物語を品格あるモノクロ映像で描く。

 本作は、北京電影学院の若手教員と学生が共に映画を製作するプロジェクトの一環で作られた作品だそうで、メイ監督は「2年前から企画を始めており、今年が老舎の没後50周年なので、記念碑的な作品になった」とコメント。「日中戦争のさなかで、南京から重慶に政府が移った時代」「忠実に原作に沿って映画化し、彼らの生活は桃源郷のように世間から離れた別世界のように描かれている」と、作品の時代背景や、家族の優雅な暮らしぶりの理由を説明した。

 物語の中心となる、丁主任のキャラクターについて「中国の伝統的な考えで、このような人物はどこにでも存在する。日本にも、東洋で共通するこのような処世術があるのでは」と世渡り上手な主人公の設定について話し、丁主任を演じたファンは、「現代の人物ではないが、身近にいるようなキャラクターとして演じた」と役作りの工夫を明かした。

 第三夫人を演じたシーは、「私の役は、監督がオリジナルに作ったキャラクター。私はもともと京劇の女優だったので、伝統的なチーパオ(チャイナドレス)を着ての演技は違和感なくできた」と撮影を振り返った。

 東京国際映画祭は11月3日まで開催。