モバイルゲーム『スンシル早く来て! 姉さんが監獄で待っている!』より

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 朴槿恵(パク・クネ)大統領の機密情報漏洩問題をめぐり、韓国内が揺れている。

 この問題は、演説草稿などの機密資料を、パク大統領が40年来の親友である崔順実(チェ・スンシル)容疑者に見せ、政策の指示を仰いでいたというもの。当然、パク大統領の支持率は過去最低の17.5%にまで急落。10月25日にはパク大統領本人が全国民に謝罪、同31日にはチェ容疑者が韓国検察に身柄を拘束される事態となった。

 国のトップが起こした前代未聞の事件に、国民の怒りはいまだ収まらず、チェ容疑者には、iPhoneに搭載されている音声認識サービス「Siri」をもじって「スンSiri」という蔑称がつけられた。これには、「スンシルがパク大統領の質問になんでも答える」という皮肉が込められている。

 パク大統領叩きが過熱する中、同28日にはあるモバイルゲームがリリースされ、話題を呼んでいる。それが、プレイヤーが乗馬したスンシルを操って、迫りくる手錠攻撃をかわすアクションゲーム『スンシル早くきて! 姉さんが監獄で待っている!』だ。

 このゲームは、「スンシルが馬に乗って家を出て、帰ってきません! 姉さんが大変なことになっているので、早く帰って来て!」というあらすじからしてぶっ飛んでいる。ちなみに、スンシルが馬に乗っているのは、チェ容疑者の娘、チョン・ユラ氏が親のコネで乗馬の韓国代表選手としてアジア大会に出場したという疑惑を皮肉ったものだ。
 
『スンシル早く来て!』は、その光景も風刺が効いている。ゲーム画面には、監獄に捕らわれたスンシルが「姉さん助けて!」と声を上げるのだが、隣の牢からは「私はここよー」と聞こえてくるのだ。

 このゲームは、リリースから2日で5,000回以上のダウンロード回数を記録して、5点満点中4.9点という高評価。ユーザーの感想も「これを作った人は天才だ」「開発者の怒りが込められた良作だ」などと、絶賛の声が相次いでいる。

 一方、31日の段階で、パク大統領とチェ容疑者を皮肉ったゲームは、本作のほかにも、プレイヤーが鶏に告訴や告発、演説文修正などを指示して成長させる『スンシル、鶏を育てる』、演説文を直してあげる『チェ・スンシルゲーム』がリリースされていて、いずれもユーザー評価が満点に近い。

 今年2月22日の「竹島の日」に日本で発表された、美少女が竹島に上陸して「リショーバン大王(韓国の初代大統領・李承晩がモデル)」を倒すというPCゲーム『竹島だっかーん!』が発表された際、韓国メディアやネット民は「最悪のゲーム」だと酷評した。

 しかし、今回の『スンシル早く来て!』は自国内で作られたばかりか、絶大な評価を得ているというのはなんとも皮肉だ。ゲームのように、パク大統領は状況をリセットすることができるのだろうか?
(文=慎虎俊)