発作で心停止した人に対し、一般市民が自動体外式除細動器(AED)を使った処置を行なうと、未使用時に比べ約1か月後に社会復帰できる割合が約2倍多いことがわかった。AEDの効果が具体的に調査されたのは世界初だ。

京都大学の石見拓教授と大阪大学の北村哲久助教の共同チームが、米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」(電子版)の2016年10月27日号に発表した。

京都大学の発表資料によると、AEDは心停止した人に電気ショックを与えて蘇生させる機器。国内では約50万台以上が駅や役所など公共の場で設置されている。石見教授らは、2005〜2013年に消防庁がまとめた、病院外で心停止した全国の患者データを調査。その結果、発作で心停止した人を目撃した市民によって、AEDで治療されてから1か月後に社会復帰した生存者は、2013年で201人と、2005年の6人から30倍以上に増えた。

また、市民が街中でAEDによる電気ショックを与えた場合、全体の38.5%が1か月以内に介助の必要なく社会復帰できたが、AED処置を受けなかった人は2分の1の18.2%にとどまった。研究チームは「街中に設置されたAEDの効果を国レベルで調査したのは世界でも初めて。今後は、誰でもAEDを使えるよう啓もう活動を広げる必要がある」とコメントしている。