熱血根性吹奏楽アニメ「響け!ユーフォニアム2」4話。
見逃した人はニコニコ動画AbemaTVで見られます。


毎回スキンシップを見せる、主人公・黄前久美子と、友人の高坂麗奈の仲良しシーン。4話では久美子が、麗奈の背中を走って後ろからタッチ「麗奈ってまじ麗奈だよね」クスクス。ノルマ達成です!

4話は、昨年の「一斉退部事件」から始まった、2年生のグジャグジャな人間関係が収束する回。
ざっくりいうと、会話不足によるすれ違い。
誰も悪くなかった。

止まらないのが愛しい、優子先輩


「ユーフォ」では、自分の感情をはっきり言葉にするキャラクターは、あまり多くない。


同じ京都アニメーションの作品「たまこまーけっと」では、多くを語らず、相手の心に踏み込みすぎないことで、思いやりの精神を表現していた。
「ユーフォ」では、この「語りすぎない」姿勢が、良いこととも、惜しいこととも表現されている。
良いこと。余計なことを言わず、音楽を通じて部が1つになり、友情が育まれていく。
惜しいこと。意見を交わさず人の顔色を伺う生徒が多い。2年生はきちんと言わないがゆえに、仲間内で問題が起きた。

そんな中、2年生の優子は稀有な存在だ。
自分が好きなことは、大声で愛を表明する。自分がおかしいと思うことは、本人にはっきり問いただす。
緊張もするけど、それでも言う。自分の部での立場がどうなるかは二の次だ。
「わかっていても、止められないんですよ」(劇場版パンフレットより・吉川優子役山岡ゆりインタビュー)


4話で、彼女はみぞれに泣きながら叫んだ。
不器用なみぞれに対して、不器用な優子が取った、最善の方法だ。

練習で行き詰ったみぞれに優子が優しく声をかけ、二人きりでオーボエの練習している時。
たまたま居合わせた久美子はそれを、じっと見つめている。

依存と自己評価


府大会で金をもらったことに対しての、オーボエの鎧塚みぞれの言葉。
「嬉しかった。でもそれと同じくらい辞めていった子に申し訳なかった、喜んでいいのかなって」
私はがんばった、という自己評価が極端に低い。

みぞれは、希美と離れてしまわないために、唯一のつながり(だと思っている)オーボエを吹き続けていた。
自分で自分の演奏を認めているわけではないから、いくら吹いても不安ばかり。
彼女は毎日一番朝早く学校に来て、練習している。

優子が仲良くしているのも「私がかわいそうだから優しくしてくれた、同情してくれた」と考えてしまうみぞれ。
自分が「かわいそう」というのがスタート地点に立っているから、「楽しい」という気持ちは生まれない。自分に拷問を課しているかのようだ。

視野が狭くなって苦しんでいるみぞれは、希美だけでなく、優子にも甘えてほしい。図々しくなってほしい。
そこまでいってはじめて、中学時代の挫折と、退部事件の呪いから、解かれるはずだ。

一人のキャラに偏らないテクニック


優子がみぞれを押し倒して、涙を流しながら思いを伝えるシーン。みぞれが教室の日陰から陽のあたる場所に引っぱり出される、情動的な場面だ。

ここでワンカット久美子の表情が挟まれる。
彼女、空気に乗り切れておらず、ひどく焦り、苦笑し、ワタワタ。
優子がみぞれを押し倒した時、ぼそっと「あぁ」という緊迫感のない声が、優子の感情爆発セリフに対し浮いている。

物語があまり感情だけに流されないように、演出でせき止められている。
久美子は今回みぞれや希美らのために、駆け回る結果になった。
しかし「2年生一斉退部事件」の当事者ではない。観察者だ。

2年生のいざこざに対し、他の部員みんなが同情しているとは思えない。
チューバの2年・後藤卓也は、昨年を思い出す度に苦々しげな顔をしている。

すっきり解決はできない問題なのだ。
今回は、一見大団円のように見える。
だが悩んで辞めていった2年生たちは、心に傷を負ったまま戻ってこない。

みぞれや希美たちに対してカウンターになっているのが、副部長の田中あすか。「コンクールに支障をきたすので、みぞれと希美を会わせたくなかった派」だ。
彼女は希美がみぞれに遭遇した時、「チッ、最悪」と舌打ち。
希美は「あすかのために手伝いたい」と言っていただけに、思いのギャップがきつい。

「みぞれちゃんが希美ちゃんに固執してるのって、結局一人が怖いからでしょ? 優子ちゃんは保険だね」
「案外人って、打算的に動くものだと思うなー」

第三者から見たら、あながち嘘とは言い切れない意見(久美子は流石に言い返したけど)。
実際、あんなに一生懸命だった優子がいるにもかかわらず、彼女の「特別」は希美だった。

「結局みぞれの演奏は、ずっと希美のためにあったんだね」「希美には勝てないんだなあ。一年も一緒にいたのに」
みぞれと希美が和解した後の、優子の言葉。
彼女は夏紀にフォローされた時、ちょっとだけ目が潤む。

「ユーフォ」は多様な価値観のある群像劇であり、久美子がみんなを眺めながら成長していく物語だ。
「全国大会」という目標に向かって、あらゆることを犠牲にしている生徒にしてみれば、事情がわからない希美とみぞれのゴタゴタどころじゃないだろう。あすかの「2人は大会が終わるまで会わせない」という意見に同調する人がいても、おかしくない。
「誰が正しい」という視点を作らないよう、まんべんなくキャラの言葉を拾ってバランスを保っている。
たまに、部員がきつい行動を取る時時。ちょっと角度を変えて見てみるとなんらかの思惑があるのが見えてくるはず。

個人的に一番ぐっと来たのは、久美子の演奏が1期よりはるかにうまくなっていたこと。
5話はついに関西大会の模様。
原作ではさらっと流した関西大会。アニメではぐっと久美子の心情に寄って描かれそうだ。

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(たまごまご)