連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第5週「お父さまの背中」第26回 11月1日(火)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出: 新田真三


26回はこんな話


逮捕された潔(高良健吾)が釈放されて家に戻ると、闇市の元締めの手下が場所代を要求してくる。
すみれ(芳根京子)のお店は順調な滑りだしを見せたと思ったら、良子(百田夏菜子)と明美(谷村美月)がぶつかってしまい・・・。

出た女のいがみあい


25回のレビューで、脚本家の渡辺千穂は集団における女性心理を書くことに長けていると書いたら、26回でさっそく女の友情にひびが少々という展開に。
客の好き嫌いを態度に出す良子(百田夏菜子)を明美が咎めたことから空気が悪くなってしまう。
誰に対しても丁寧に接しないといけないから客商売は難しい。
良子は、戦争で苦労したとはいえ、元がお嬢さん育ちでプライドが高く、簡単にその性分を直せない。
明美は、お嬢さんたちの生き方には手厳しく、思ったことをずけずけ口に出してしまう。
こんな2人はどうやって信頼し合えるようになるのだろう。

ついていない女たち


良子が明美をよく思っていない理由のひとつに、あさやの仕事のほかに看護婦の仕事をしていることがある。
自分たちはこれ(あさや)しかないというのに、ってことだろうが、折しも明美は看護婦をクビになってしまう。かつてのお母さんと同じ人員削減の目にあうとはついてない。

ついてないといえば、ゆり(蓮佛美沙子)。闇市の元締め(団時朗)に睨まれて、夫の潔(高良健吾)が捕まってしまったり家兼店をボロボロにされたり。
お父さん(生瀬勝久)が来てくれたから良かったものの、ゆりはお嫁に行った身。坂東家を継いでいるすみれとは違うのだ。でも、潔を選んだのはゆり本人。彼女がどうなっていくかも楽しみ。

肌着100円、闇市場銭300円


すみれが勘でつけた値段・子供の肌着1枚100円を「安っ」と喜ぶお客さん(アメリカ兵相手に商売してる女性。幼い子供のために働いているのだろうか)。
潔が支払わされた闇市の場銭は300円。
「戦後値段史年表」(週刊朝日編/朝日文庫)
を見ると、昭和21年 地下足袋18円50銭、丸ビルの賃料31円、白米36円35銭(10キロあたり)昭和22年 銀座の地価15万円(銀座三愛付近の一坪)、背広注文服4000円、白米149円60銭(10キロあたり)・・・などとなっている。
総理大臣の給料は昭和21年3000円、昭和23年2万5000円。戦後数年の間にものの値段がずいぶんと変わっている。この変遷からもどれだけ激動の時代であったかがわかる。
(木俣冬)