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『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。

マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第15回は「死神CG技術の進化」「松坂桃李起用の背景」。

○原作作画・小畑健も一発OKのクオリティ

――今回の死神は、現実世界にいてもおかしくないような質感に仕上がっていました。

はい、まず前作はその当時の実写映画内でのCG表現を金子修介監督が鑑みて、あえて人形ぽい死神、肌の質感とかもセルロイドっぽくすることで、その場に居る感じを狙っていた。そして10年後となる本作では実写映画内でのCG表現の技術を飛躍的に上がったので、(佐藤)信介監督としても今回は、より生物感、生々しさをアップさせたいと希望しました。そこで、リュークを含めて死神たちのデザインを新たに起こすことになりました。

まず水彩画によるあくまでイメージデザインが上がってきました。それはダークで、リアルで、アートと言ってもほどの出来栄えでした。原作作画の小畑先生も一発でオッケーするほど。私もモチロン素晴らしいと思ったのですが、このイメージ画をCGで描き出せるのだろうか? 描き出せたとしても、現実の世界に浮くことなく、存在感を持って動かすことができるのだろうか? と正直不安に思ってもいました。予算もあることですから(笑)。

結果は作品をご覧いただけた方はお分かりのとおり、もう私はデジフロさん(06年の旧作からCG制作を担当している会社「デジタル・フロンティア」のこと)に謝らなければなりません。イメージを完璧に現実世界に存在するものとして表現してくれました。本当に凄いです。

今回の新たに登場する死神のデザインは、もともと小畑先生の死神をベースにしています。原作コミックや、13巻で小畑先生が描いていた死神たちをいくつかを組み合わせたり、アレンジしたりして作り上げました。

○わずか40分で快諾

――映画を観ていて全く気づきませんでしたが、エンドロールに「死神ベポ 松坂桃李」の名前があって驚きました。

信介監督によるキャスティングです。松坂さんは、信介監督による『万能鑑定士Q』(14年)、『図書館戦争THE LAST MISSION』(15年)に出演されていて、お互い強い信頼関係で結ばれているそうで(笑)。ベポはその骨格上、ほとんど口の動きがなく、表情などをその演じる人からいただく必要もなかったので、収録は声だけで1時間もかからないだろうと。なので、ベポはゲスト枠として考えていて、私としてはサービスじゃないですけど、観客への嬉しいサプライズとして意外な役者さんにお願いしたかった。そうしたら、信介監督から「松坂桃李さんはどうですか?」と提案がありました。

松坂さんは信介監督と仕事をして以来、信介監督作品にまた出たい!と心を奪われたようで(笑)。『アイアムアヒーロー』(16年)にも、ZQN(ゾンビ)役での出演を強く希望していたそうなんです。信介監督は「松坂さんがそんな役で出るはずがない」と冗談として受け流していたんですが、本気だったらしく(笑)。そのことを伝え聞いた信介監督は反省して(笑)、機会をうかがっていたところ、死神役はどうだろう? と思いついたようです。

そういった関係性やストーリーが私は大好きなので松坂さんへのオファーは大賛成でしたが、言ってもお忙しい方ですから、本当に出演いただけるか半信半疑でしたね。でも、事務所に話をしたら即答。40分ぐらいのうちに決まりました(笑)。

――監督と俳優の関係性も、映画作りにおいては重要になってくるんですね。

信介監督は『GANTZ』の時にキャスティングにおける主張があまりなかったので、今回はうれしかったです。彼ならではのキャスティングを勧めても、「いえ、大丈夫です」と遠慮していた。今回は監督としての主張を明確に感じたというか。これまでのキャスティングは割と私に任せてくれていましたが、今回は信介監督の意向も随所に入っています。

■プロフィール
佐藤貴博(さとう・たかひろ)
1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社 (C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

(水崎泰臣)