レジェンドのゴジラ秘話に会場も歓喜!

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映画『キングコング対ゴジラ』4Kデジタルリマスター版の上映が第29回東京国際映画祭(TIFF)を開催中の六本木・EXシアターで行われ、特技監督の中野昭慶、映画評論家の町山智浩がトークショーに登壇。本作で「助監督を務めていた」と言う中野監督が、「50年前の感激を味わわせてもらった」と感無量の面持ちを見せた。

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本作は、ゴジラシリーズ初のカラー作品で、最大のヒット作。今回、長らく失われていたフィルムが発見されたことにより、最新のデジタル技術を駆使して復元。日本映画専門チャンネル主催のもと、1962年公開時のオリジナル版が4Kデジタルリマスター版として54年ぶりにスクリーンに復活した。上映前には主演の高島忠夫による「公開当時、私は32歳でした。昨日のことのように思い出されます。鮮やかに蘇った『キングコング対ゴジラ』をお楽しみください」とのコメントが紹介された。

中野監督は「我々映画の作り手は、ゼロ号試写で初めて完成した映像を見る。その感激というのはものすごいもの。この映画を観て、50年前の感激を味わわせてもらった。素晴らしい一瞬だった」と感激しきり。町山も「こんなにきれいなものが劇場で観られるなんて夢のよう」と興奮冷めやらぬ様子だ。

中野監督といえば、数々の東宝特撮映画製作に携わった“レジェンド”とも言うべき特技監督。司会を務めた笠井信輔アナウンサーと町山も、中野監督の話に少年のような瞳で聞き入り、質問も止まらない。そんななか、特撮の思い出を聞かれた中野監督は、「円谷さんのタコへのこだわり。円谷さんはキングコングよりゴジラより、むしろタコ!」と劇中に登場するタコは円谷英二監督がずっと撮りたかったものであり、「漁師さんから、タコを生けすごと40〜50匹買った」と告白。

撮影後には「タコづくしの料理を2日間も食わされた」と明かすと、会場も大爆笑。さらに原住民のキャラクターについて「あのモブシーンは全部特撮。合成で増やしてもいる。二重露光を5回くらい繰り返している」など飛び出す数々の秘話に、会場も大喜びだった。

また今夏公開された『シン・ゴジラ』については、「デジタル時代のゴジラだと思った。アナログ時代のゴジラは終わった」と感想を述べた中野監督。「映画を面白くする条件は、粘りと頑張り。デジタル時代に入っても、作り手の基礎は粘りとこだわりだと思う。うんと粘って、今の感性でおじさんを喜ばせる映画を撮ってほしい」と次世代の担い手にエールを送ると、会場からも大きな拍手が沸き起こっていた。【取材・文/成田おり枝】