(左から)「無糖」「甘さ控えめ」「焦がしキャラメル」

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サントリー食品インターナショナルのコーヒー飲料ブランド「BOSS(ボス)」からこのほど、牛乳などで割る同ブランド初の希釈タイプの製品「ボス ラテベース」が発売された。商品名が表す通り「カフェラテ」の素となる濃縮コーヒーで「無糖」と「甘さ控えめ」の2種類(いずれも希望小売価格278円)。街のカフェなどで出される「ラテ」は高価なマシンで抽出したエスプレッソを使って、その味をつくりだしており、家庭などで簡単に楽しめるものではなかったが、同社では約3年を費やし、本格的「ラテ」をイエナカで味わえる製品を開発した。

「牛乳売場」への配置を要請のワケは...

発売されたのは「ボス ラテベース」の「無糖」と「甘さ控えめ」のほか、なくなり次第終了という期間限定品の「焦がしキャラメル」。2016年10月25日から全国のスーパーなどで販売されている。同社では発売に際し小売店に「牛乳売場」への配置を要請したが、それは「イエナカ・ラテ」のレシピとしてアピールを狙ってのこと。カフェなどで人気のフレーバーを期間限定品として加えたのも「ラテ」を印象づけようとしたものだ。

実は、今回の新製品の「原型」はすでに3月に市場に投入されていた。製品名は「ボス ホームエスプレッソ ラテミックス」で、やはり「無糖」と「甘さ控えめ」の2種類。購入した消費者には好評でリピート需要を生み、同社によれば、発売後短期間で年間の販売計画の6割近くまでを達成していたという。ところが多くの消費者には、従来のボトル入りコーヒーと同種ととらえられたのか「最初に手にとってもらうところがうまくいかなかった」という。

オリジナル製品を「リバイタライズ」

サントリー食品インターナショナルの市場調査で、家庭でコーヒーを飲む際に、レギュラーやインスタント、ボトル入り製品など種類に関係なく、6割の人が牛乳を合わせて飲むことが分かり、同社では、ラテの素となる希釈タイプの製品で新市場開拓をめざし、製品開発に乗り出したものだ。

「熱濃縮」や「凍結濃縮」と抽出を重ねる「連続カラム抽出」の三つの方法の最適な組み合わせを試行錯誤の末に見つけだし、さらに非濃縮素材を混ぜ、目指した味や香りにたどりついた。着想から3年後のことだったという。

製品を満を持して投入。だが購入者の評判はいいのに「間口が広がらない」。「めんつゆと間違えられるのでは...」という意見もあり「トータルでは課題が多かった」と判断し発売後1か月たたないうちにリニューアルを含めた対策の検討を始めたという。

味にも香りにも自信あり。「イエナカ」でラテを手軽に――という以上に、コーヒーの濃さを好みに応じて作れるなど勝手もよい。分かってもらうためにはまず手にとってもらわなくては...。

そして10月に発売されたのが「ボス ラテベース」。中身に改良を加え、パッケージを視覚から「ラテ」をアピールするデザインに変更したうえ、リニューアルの枠を超えて名前も変更。実施したのは新たな出発を図る「リバイタライズ(新しい生命を与える)」だったという。

増えるコーヒー需用の受け皿目指す

コーヒー関連の業界5団体などで構成する全日本コーヒー協会によると、15年の国内のコーヒー消費量は約46万2000トンで4年連続で過去最高を記録。16年1〜8月は約31万3700トンで前年同期を1万トン近く上回っており、同年も記録を更新しそうだ。

また「一人1週間当たり杯数」(隔年調査で最新は14年)をみると、02〜12年まで「10杯」台だったが14年には11.13杯と一人当たりの飲用量も最高に。この11.13杯の「飲用場所別」の内訳をみると「家庭」が7.04杯で、それまでの6杯台を初めて突破。「喫茶店・コーヒーショップ」は02年の0.21杯から減って0.19杯に減っていた。

サントリー食品インターナショナルでは「この家庭内でのコーヒー消費(イエナカ市場)に着目し、自宅でも牛乳で割るだけでお店で飲むような贅沢な味わいのカフェラテが手軽に作れる、濃縮タイプのコーヒー」の開発に取り組んだ。

「ラテベース」が挑むのは、増える一方の需用を取り込める新市場の創造だ。