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アクセンチュアは11月1日、サーキュラー・エコノミー(Circular Economy)に関するプレスラウンドテーブルを開催した。サーキュラー・エコノミーとは、再生し続ける経済で、製品・部品・資源を最大限活用し、それらの価値を目減りさせることなく、再生・再利用し続けることだという。

同社では、働いていない、使われていない、空いている状態の資産を徹底的かつ効果的に活用することで、2030年までに4.5兆ドルの市場が生まれるとしている。この中には、廃棄物としてのゴミのほか、企業の会議室や自動車、日用品なども含まれているという。たとえば、自動車の製品寿命の90%は使われず、ずっと車庫に置かれた状態だが、ウーバーなどのサービスを活用することで、新たな価値を生み出すことができるというわけだ。

アクセンチュア 戦略コサルティング本部 マネジング・ディレクター 牧岡宏氏によれば、サーキュラー・エコノミーのビジネスモデルには、「原材料の無駄をなくす」「製品の回収」「製品寿命の延長」「シェアリング」「サービスとしての製品」の5つがあるという。

「原材料の無駄をなくす」では、希少な原材料や調達リスクの高い素材に対しては、100%再生可能なものを導入すること。

「製品の回収」では、これまで廃棄されたものを、他の用途に活用することを前提にした生産・消費モデルを構築すること。

「製品寿命の延長」では、製品を回収し、修理やアップグレード、再製造などをすることで、新たな価値を付与し、製品寿命を延ばすこと。

「シェアリング」では、使用していない製品の貸し借り、共有、交換などによって新たな事業機会を提供することで、代表例としては、ウーバーやAirbnbを挙げる。

そして、「サービスとしての製品」は、必要なときにだけ借りる、利用した分だけのサービス料を支払うといったモデルだ。

ただ、サーキュラー・エコノミーは、効率的に資源利用することではなく、どのように製品を使用する消費者の心に訴え、どのように製品開発や資源要件の考案に携わって来たかを問うているのだという。

牧岡氏は、過去の大量生産大量消費型の原材料調達、製造、販売、利用、廃棄という一方通行の長くて遅いサイクルから、利用視点の短くて早いサイクルへの転換が必要だとした。

では、利用視点の短くて早いサイクルへの転換を図るには、どうすればいいのか?

アクセンチュア 戦略コサルティング本部 マネジング・ディレクター 石川雅崇氏は、 IoTやアナリティクスなど、顧客志向での一貫したテクノロジーセットを具備し、「Intelligent Enterprise」化することが求められるとした。

また、自社だけで行うのではなく、他社が持つ資産やケイパビリティを活用できるエコシステムの構築が必要で、それによって、産業全体の構造転換を誘発していくことが必要だという。

さらに、Connected、Collaborative、Scalableの3つが基本の3要素で、ユーザーコミュニティ、パートナー、開発者とともに価値創造する新たなビジネスモデルの構築も必要だという。

そして牧岡氏は、「サーキュラー・エコノミーにおいては、日本は遅れているが、製品の品質が問われるようなれば挽回できるチャンスは十分にある」と述べた。

なお、今回のラウンドテーブルは米Accenture Strategy Managing Director Sustainability Peter Lacya氏とAccenture Strategy Sustainability Manager Jakob Rutqvist氏の著書「Waste to Wealth(無駄を富に変える)」がベースになっている。

(丸山篤)