グーグル、インフルエンサー企業を買収 YouTube収益化を促進

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グーグルは先日、インフルエンサー・マーケティングを手掛ける「FameBit」を買収した。FameBitはブランド企業とユーチューブ動画クリエイターを結びつけるマーケティングプラットフォームを運営している。

今回の買収により、動画クリエイターらが報酬を得る機会が増える。しかし、最も恩恵を受けるのは、これまでユーチューブの成功を支えてきたミュージシャンたちだ。公式プロモーションビデオはユーチューブで高い人気を誇り、膨大なフォロアーを獲得している。

ユーチューブには大物からインディーズまで、あらゆるミュージシャンの動画が投稿され、毎月数十億回も再生されている。一方で音楽業界とユーチューブは長年対立をし、ミュージシャンたちはユーチューブから支払われる報酬が少なすぎると抗議してきた。ユーチューブは音楽動画によって莫大な収益を得ており、もはや音楽コンテンツ抜きではビジネスが成り立たないのが実情だ。このため、ユーチューブはミュージシャンに正当な対価を支払うべきだろう。

しかし、問題はそう簡単には解決しない。ユーチューブの収益性には長らく疑問の声が挙がっており、ミュージシャンへの報酬を増やそうにもその財源がないのかもしれない。もしそうであれば、親会社であるグーグルは別の方法で対処する必要がある。その意味では、今回のFameBitの買収は大きな前進だと評価できる。

音楽CDの売上が年々減少し、コンサートの経費も増している中で、ミュージシャンにとってブランド企業とのタイアップは、魅力的な収入源だ。ブランド側も、マーケティング活動において音楽が果たす役割の大きさを認識しており、音楽関連の広告予算を増額する傾向にある。

5万人以上のクリエイターらが登録

グーグルはFameBit買収により、音楽業界をインフルエンサー・マーケティングに取り込む計画を練っている。FameBitには5万人を超えるクリエイターが登録しており、同社はその数をさらに増やそうと努力している。従来は音楽レーベルに所属して専任マネジャーが交渉を行うような大物ミュージシャンでなければ、ブランド企業と提携することは難しかった。FameBitが、あらゆるミュージシャンに同様のチャンスを提供できれば、音楽業界全体にとっては大きなメリットとなる。

グーグルは、FameBitの買収金額を公表していないが、音楽業界との関係修復に寄与するのであれば、安い買い物だろう。音楽コンテンツの価値はますます高まっており、グーグルがFameBit以外にも、ミュージシャンの収入を増やすためのサービスを拡充し続けることを期待したい。