<韓国の朴槿恵大統領の友人・崔順実(チェ・スンシル)氏の国政介入疑惑"チェスンシル・ゲート"の影響は収まる気配を見せない。崔氏は昨日、ソウル中央地検に出頭しそのまま逮捕されたが、一夜明けても市民の怒りは収まらない。韓国メディアによると「崔氏が死ぬ手伝いをしよう」とパワーショベルで突入する男まで現れた......>

 1日朝8時30分。ソウル市瑞草区にある最高検察庁に大きな音が鳴り響き、1台のパワーショベルが車両進入ゲートをなぎ倒しながら庁舎の正門に進入。階段を登り、庁舎の入り口まで進んだところで、運転していた40代の男は警備員らに取り押さえられた。


義憤に駆られて最高検察庁に突入 ただし崔順実がいたのは最高検察庁ではなくソウル中央地検だった。朝鮮TVから (c) 조선방송/Youtube

 警察の取り調べによると、運転していた全(チョン)容疑者は大型トラックにパワーシャベルを乗せて現場近くまで乗り付けたという。犯行の理由について全容疑者は、前日逮捕された崔順実が検察に出頭した際に「死んで償うほどの罪を犯した」と語ったことから「死ぬのを手伝おうと思って来た」と話しているという。

参考記事:朴槿恵の影の黒幕、崔順実氏が検察に出頭「許してください」

 怒っているのは国民だけではない。韓国政界では野党はもちろん、与党セヌリ党の非主流派からも朴大統領の離党と執行部の退陣を求める声が上がるなど、政局は流動的になっている。事態の沈静化を図ろうと、朴大統領は大統領府の幹部を辞任させるなどで人心を一新しようとしているが、各種報道機関が1日に発表した世論調査では、大統領の支持率は9.2%と、就任以来初めて10%を割り込んだことが報じられた。とりわけ大統領の支持基盤で、「コンクリート支持率」と言われてきた大邱・慶北地域でも前月44.3%から8.8%へと急落したことが、注目を集めているという。

 こうした中、12月に東京で行われる予定の日中韓首脳会談についても、日本側からの開催提案に対し韓国側が返答をせず年内開催のめどが立たない、との報道が韓国メディアから流れている。韓国外交部はこの報道を否定したものの、現在の朴大統領を取り巻く状況では外交どころの話ではないだろう。

 2018年の任期まで折り返し地点に来た朴大統領。先月には大統領の再選を禁止している憲法の規定の変更を求める発言をしていたが、今では任期満了どころか新年を迎えるのすら危うい状況となっている。

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部