爆笑したとたんに...モレちゃった

写真拡大

尿意がないのに、くしゃみをした反動で出てしまったり、尿意を感じた瞬間、トイレに行く間もなく漏らしてしまったり...。30、40代で尿漏れに悩む女性は意外と多い。

40代女性の3人に1人

「尿漏れ」というと高齢者の悩みというイメージがあるが、若い世代でも尿漏れに悩む女性が増えている。というより、ネットでこっそり打ち明ける女性が増えているだけで、以前から同じ悩みを持つ人の割合は変わっていないのかもしれない。

 

ネット上の掲示板で「尿漏れ」と検索すると、30〜40代の女性の投稿が目立つ。
「急激に尿意がしてがまんができない」「くしゃみや、笑っただけでびゅっと出てしまい、一瞬のことなので止められない」「人前で漏らしてしまい、臭いで気づかれるのではと気が気でなかった」など、悩みは切実だ。「私は30代なんですが...」「まだ40歳なのに...」といった書き出しに見られるように、「この年齢でまさか」という気持ちが悩みを深くしている様子がうかがえる。

しかし、花王が2013年に実施した実態調査によると、30代で18%、40代になると28%、およそ3人に1人が尿漏れを経験しているという。決して珍しい症状ではなく、むしろ「よくある悩み」だということがわかる。20代でも、産後、一時的に尿漏れを経験する女性は多く、いったん改善しても、40代、50代になって再発するケースも少なくない。

女性に多い尿漏れのタイプ

尿漏れにはいくつかタイプがあるが、女性に多いのが「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」だ。

「腹圧性尿失禁」は、せきやくしゃみをしたとき、重いものを持ちあげたときなど、おなかに力を入れたときに起こる。おなかに強い力(腹圧)がかかると、通常なら骨盤底筋という筋肉が膀胱と尿道を支え、尿道を締めることで漏れるのを防ぐ。しかし、出産や肥満、加齢などによって骨盤底筋が傷ついたり、衰えたりすると、尿道を締めることができなくなり、尿漏れを起こす。前出の花王の調査では、7〜8割がこのタイプに当てはまった。

一方、「切迫性尿失禁」は、急に尿がしたくなり(尿意切迫感)、我慢できずに漏れてしまう症状だ。脳からの指令でコントロールされている排尿が、脳血管障害などによって制御できなくなるなど、原因が明らかな場合もあるが、多くのケースは原因がわからず、膀胱が勝手に収縮してしまい、尿失禁を起こす。急に「トイレ!」となるので、「怖くて外出できない」と家に引きこもる原因になることも。このタイプは比較的、高齢の女性に多いが、スマホやゲームに夢中になってトイレを我慢するということを繰り返すうちに、「尿意がわからなくなった」という10代女性も増えているという。

尿漏れを改善するには

他人に相談しにくい悩みだが、尿漏れは放っておいても改善しない。まずは泌尿器科を受診し、改善・治療方法について医師に相談しよう。腹圧性尿失禁の場合、軽度であれば、骨盤底筋体操を行うことで、尿道の周りにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を鍛えれば、かなりの改善が期待できる。基本的なやり方は以下の通りだ。

<骨盤底筋体操>
1.仰向けになり、足を肩幅に開いて膝を立てる。
2.全身の力を抜き、息を吸いながら肛門と膣を引き上げるようなイメージで締める。
3.2の状態でゆっくり5つ数え、力を抜く。
4.2と3を5回繰り返す。これを1セットとし、1日5セット行う。

慣れてきたら、椅子に座って、あるいは立ったまま行ってもよい。大切なのは、毎日続けることだ。

骨盤底筋体操では改善しなければ、メッシュ状のテープを尿道の下に通してサポートする「TVT手術」または「TOT手術」といった外科手術が適応される。また、切迫性尿失禁の治療には、薬物療法(抗コリン薬やβ3受容体作動薬)が用いられる。

また、体を冷やさない、利尿作用があるアルコールやカフェイン類は控える、肥満を防ぐ、外出時は早めにトイレに行くなど、日常生活でできる対策もある。吸水性や消臭力に優れた尿ケア専用パッドを使えば、「もしも」のときも安心だ。生理用品で代用する人もいるが、経血と尿では性質が異なるので、尿ケア専用製品を使うことをおすすめする。

尿漏れは命にかかわるような症状ではないが、生活の質(QOL)を低下させることに違いはない。症状に気づいたら、早めに泌尿器科を受診しよう。
[監修:辻村晃 順天堂大学医学部附属浦安病院先任准教授]

(Aging Style)