いよいよ今日から11月。今年も残すところ2か月となりました。立冬を真近に控えて寒さが本格化するこの時期は、万物が静かに落ち着く「陰」の季節にあたります。必要以上に活発に活動してエネルギーを消耗することは避け、「蓄える」ことを第一に過ごしましょう。一方で、余分なものは溜め込まずにすっきり流して、冬太りは避けたいもの。今回は、身体を温めると同時に代謝を活発に保つ、陰陽のバランスに注目した食べ方をご紹介します。

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食べものがもつ「陰陽パワー」とは?

四季の豊かな日本に暮らす私たちのからだは、春夏秋冬で少しずつ変化しています。その季節に合った食べものや食べ方を知ると、四季の変化を楽しみながら、からだに負担をかけずに健やかに過ごすことができます。
まず知っておきたいのが、食べものがもつ3つの性質。からだを冷やしたり緩めたりする「陰」と、温めたり締めたりする「陽」、そしてその中間に位置する「中庸」があります。陰陽の性質を分ける決め手となるのは、主に食べものに含まれる「ナトリウム」と「カリウム」の割合です。
動物性と植物性の食べもので比べてみると、動物にはナトリウムが、植物にはカリウムが多く含まれていますので、動物は陽性、植物は陰性ということになります。今度は同じ植物同士で比較してみると、夏に採れるきゅうりやなす、スイカなどは、カリウムをたっぷり含み、からだを冷やしてくれる陰性の食べもの。一方、秋から冬にかけて美味しくなる根菜類はからだを温める陽の性質をもっています。米などの穀物は、陰と陽の中間の性質をもつ中庸の食べものとなります。


陰陽の考え方で、食べものを整理してみよう!

食べもの別に、温める、冷やす、中庸を保つ、といった基本の性質があることを知っておくと、季節や自分の体質に合った調理法や食べ方ができるようなりとても便利!陰陽別に食べものをざっくり整理してみると、下記のようになります。
◎陰性の食べもの
・夏野菜、いも類、南国で採れる果物
(なす、トマト、きゅうり、じゃがいも、バナナ、スイカ、パイナップル など)
・香辛料(コショウ、わさび、とうがらし、にんにく、ハーブ類)
・その他(砂糖、はちみつ、コーヒー、アルコール)
◎陽性の食べもの
・根菜類(ごぼう、れんこん、じねんじょ、人参 など)
・動物性食品(肉類、卵、魚介類)
・その他(味噌、しょうゆ、梅干し、自然塩)
◎中庸の食べもの
・穀物(米、そば、麦類)
・豆類(あずき、ごま、大豆)
・ねぎ類(長ねぎ、玉ねぎ)
・海藻類(ひじき、のり、こんぶ、わかめ)
・オイル類(オリーブ油、ごま油、なたね油)

からだを中庸に保つ穀物のなかでも、特に栄養価の高い玄米


最高のバランス食!寒い季節のいちおしメニューは?

寒い季節は、温かい食べものや陽性の食べものをとるのが基本。その一方で、代謝を促す陰性のパワーも適度に入れていくのがポイントです。
いちばんのおすすめは、やはり鍋もの。具には野菜(白菜、小松菜、ねぎ など)や根菜(ごぼう、人参、大根、れんこん など)、きのこ類、海藻、豆腐など、できるだけいろいろな種類のものを入れるとバランスが良くなります。この時季は、陽性の肉や魚を食べるのにいちばん適したシーズン。たっぷりの野菜やきのこ類を食べ合わせ、動物性食品の消化を助けましょう。
鍋の利点は、まず熱という陽性がしっかり入って、からだが温まり活性化することです。具も陰陽両方の食べものが入っているので、カロリーという陽性が補給されながら陰性の作用で代謝も促されます。ビタミン、ミネラル、繊維質も豊富に摂取できるので、腸の掃除にも最適。鍋ものは、調理にも手間がかからないので、なにかと慌ただしい季節のお助けメニューになりそう!
日ごと寒さが増すこれからの季節。陰陽の基本的な考え方を食事に取り入れて、健やかに毎日を過ごしましょう。

いろいろな種類のものを入れて、陰陽のバランスをとるのがポイント

参考文献
大森一慧 『からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て』 サンマーク出版 2008