イベント冒頭から暴走気味だった笠井アナ/[c]2016 TIFF

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29回の歴史を誇る東京国際映画祭において、初めての試みとなる「TIFFアニ!! 第1部 東京国際映画祭 イチオシ・アニメ スペシャルステージ」が10月31日、東京国際フォーラム ホールCにて開催。『ポッピンQ』『チェインクロニクル〜ヘクセイタスの閃(ひかり)〜』『虐殺器官』という、この冬に公開が予定されている話題の劇場版アニメの特別映像がいち早く見られるだけでなく、出演する人気声優が登壇することもあり、平日でありながらも多くの観客が来場した。

【写真を見る】『ポッピンQ』からは宮原直樹監督、友立小夏役の種崎敦美が登壇/[c]2016 TIFF

MCを担当したのはフジテレビアナウンサーの笠井信輔。同局で映画番組を持つなど映画好きとして知られるが、じつは「超時空要塞マクロス」でハマって以来のガチのアニメファン!イベント中にはアニメファンならではの鋭い質問が投げかけられた。

■ 種崎敦美、もっと早く声優を始めていれば違う出会いがあったかも?

まず、異世界に迷い込んだ女子中学生たちの冒険を描く『ポッピンQ』(12月23日公開)の冒頭7分間の上映に続き、友立小夏役の声優・種崎敦美と監督の宮原直樹が登壇。

「少女戦隊アニメとアイドルグループアニメと青春学園アニメのいいところが入っていて、さらに作品のメッセージ性が心を揺さぶるんですよ」と本来なら監督らがコメントする前に笠井アナが見どころをざっと紹介。

冒頭の7分間には描かれていないが「ダンスが重要なポイント」という監督の言葉に笠井アナは激しく反応。「『ラブライブ!』とかアニメの外でも声優さんが実際に歌ったり、踊ったりする作品がありますけど、『ポッピンQ』もやったほうがいいですよ。公開まで2か月ぐらいあるから、練習すれば…」と、突然の提案に種崎や監督が戸惑う場面に観客は大爆笑。

本作のキーワードとなっているのが、“人生をやり直す”こと。声優になる前に接客業をしていたという種崎は「養成所に入るお金を貯めるために働いていたんですけど、やめるタイミングとか、もう少し早く声優を始めてたら違う出会いがあったのかな」と22歳という早い段階で決断を下した彼女に対し、笠井アナも関心を示していた。

■ 「チェンクロ」アニメ版でも全キャラを石田彰が演じる寸前だった!?

続いて、人気スマホゲームをアニメ化した『チェインクロニクル〜ヘクセイタスの閃〜』(第1章が12月3日公開)の21分もの特別映像が上映され、ユーリ役の石田彰、オリジナルキャラクターのアラムを演じた山下大輔、監督の工藤昌史が登場。

ゲーム版では石田彰が40以上ものキャラクターを一人で演じ分けていたというだけに、「最初はいくつ役を減らしてもらえるのかな」と演じ分けるのが大変でアニメ版では少ないほうがいいと思っていたそう。だが、工藤監督は「シナリオを作っている時に声優さんを想定すると全部、石田さんで…」と全キャラクターを石田さんに演じさせるという驚きの構想も。「いや、見てる人は混乱するでしょ」と焦りつつも、「アラムはアニメ版のオリジナルのキャラクターだから演じてみたかった」という意外な告白にアラム役の山下は苦笑い。

「最初からクライマックスなので置いてけぼりかな…とは思ったけど、自分でゲームをやって感動したところは入れたいと思った」と工藤監督が言うようにゲーム版のファンにも必見の作品となっているようだ。

■ 制作スタジオ倒産も「頑張って作れば目立つかなと思った(笑)」

3本目に上映されたのは、一時、スタジオの倒産で公開が延期になっていた『虐殺器官』。約17分にも及ぶ特別映像の上映に続き、クラヴィス・シェパード役の中村悠一、ジョン・ポール役の櫻井孝宏、プロデューサーの山本幸治が登場。

笠井アナが中村と櫻井がは人気アニメ「おそ松さん」でそれぞれカラ松、おそ松役を演じている事に触れると、場内から黄色い声援が。他2作と違い、監督が登壇できなかった事について山本プロデューサーは、「いま、あの世に行きかけてます(笑)。命を削って作ってます」とまさに製作が佳境だという事を明かした。

作家・伊藤計劃の著書を映画化する3部作の1本として制作がスタートした本作のアフレコが行われたのは2年前。その後、制作スタジオが倒産するという事態を迎えたが、中村は「倒産報道の2日後に取材の予定だったんです。案の定、取材はなくなりましたけどね(笑)」と当時の状況を語る。そんな本作を新たにスタジオを立ち上げてでも制作に携わった山本の「頑張って作りきれば目立つかな?」と意外とあっけらかんとした反応に場内は爆笑。

ただ、制作に時間がかかっているぶん、実写と見間違うような緻密な映像となっているといい、笠井アナは「ハリウッドで実写映画化できるぐらいのクオリティで、クラヴィスをクリスチャン・ベール、ジョンをベネディクト・カンバーバッチが演じて、FOXサーチライトあたりが製作したらアカデミー賞を狙えますよ!」とその完成度について早くも絶賛していた。

ゲストたちが帰り、幕が閉まる際にも「♪マクロ〜ス」と歌うなど、まさにアニメファンの笠井アナのひとり勝ちみたいなステージに終始、場内は和やかなムードだった。【取材・文/トライワークス】