1200年以上の歴史を持つ奈良の春日大社では現在、本殿の屋根の葺き替えなどを行う60回目の「式年造替」が行われている。中国メディア・中国国際放送局は28日、「日本の匠はどうやって1000年前の建築技術を残しているのか」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 1200年以上の歴史を持つ奈良の春日大社では現在、本殿の屋根の葺き替えなどを行う60回目の「式年造替」が行われている。中国メディア・中国国際放送局は28日、「日本の匠はどうやって1000年前の建築技術を残しているのか」とする記事を掲載した。

 記事は、春日大社が腐食に弱く長期保存の難しい木造建築であると紹介したうえで、「日本人が篤く信仰する神様が長く鎮座できる場所を提供すべく、春日大社の神官たちは20年毎に大殿を作りなおす『造替』という方法を考えだした」と説明した。そして、文化財の制度ができた明治時代以降は完全な作りなおしができなくなり、屋根の葺き替えや紅漆の上塗りを主とする修復処理になったと伝えている。

 そのうえで、日本の伝統建築の屋根には檜の薄い樹皮が用いられている事が多く、非常に根気と集中力のいる作業である作業であることを紹介。本殿の屋根を葺き替える作業は、300人余りの熟練した職人が1年半の時間をかけてようやく完成するものであり、「その膨大さは想像を絶する」とした。また、職人たちは特に屋根の縦線と横線を垂直にすることに非常に神経を使い、長年のキャリアを積んだ職人でさえもプレッシャーを感じることを説明している。

 さらに、1000年以上春日大社を支えてきた代々の匠たちが残してきたのは単に建築自体にとどまらず、祭祀活動の形式から技術に至るまですべてをそのまま今に伝えているとした。そして、大量の財力や人力を費やして、同じ様式で同じように作りなおすことは「いささか愚かさを覚える」とする一方で、今の日本において「中国ですでに失われてしまった古代の技術や習俗」が残されているのは、まさに日本人が持つこだわりとこの「愚かさ」のおかげなのであると結んだ。

 歴史あるものを破壊したり途絶えさせたりするのは実に簡単なことである。一方で、歴史を守っていくことは非常に難しい。そしてそれ以上に難しいのは、一度破壊してしまったものを復活させ、再び伝えていくことなのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)