日本が優勝のAFC U-19選手権、表彰式で感じた強烈な「違和感」とは

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バーレーンで開催されていたAFC U-19選手権。

準決勝に進みU-20ワールドカップへの出場権を手にした日本代表は、30日に決勝でサウジアラビアと激突し、PK戦の末見事アジア王者に輝いた。

日本にとってU-19選手権はこれが初のタイトルであり、全6試合での無失点は偉業とさえ言える。

試合後、ピッチ上では表彰式が行われ選手たちは喜びを爆発させたのだが、ここでちょっと気になるシーンがあった。

AFCはTwitter上で、この時の映像を紹介している。

場面は、日本の選手全員にメダルが配られた直後。

AFCの役員からトロフィーを手渡された坂井がこれからそれを掲げようとするという盛り上がりを見せる瞬間だ。

サッカー選手にとって、表彰式でトロフィーを掲げる時間というのは特別なものであるはずだ。

その大会を象徴する最も印象的な場面であり、主役の選手たちが脚光を浴びる最高のシチュエーションであるにもかかわらず、AFCの役員は壇上で呑気に拍手をしていたのである。

実は似たようなシーンが、今年の1月にもあった。

こちらは手倉森誠監督率いる日本代表が、劇的な展開でAFC U-23選手権を制した直後のセレモニー時の様子。

キャプテンである遠藤航と同じ列にはAFCの役員と思われる人物が数名おり、写真では日本の選手が隠れてしまっている。

トロフィー授与という最高の瞬間に、選手以上に連盟のスタッフの方が目立っているというのはどうなのだろうか?

残念なことに、AFC主催の大会ではこうしたことが頻繁に起きている。

こちらは昨年行われたアジアカップ決勝の写真。

マイル・ジェディナクが優勝カップを掲げ紙吹雪が舞う中、なんと壇上には9名もの役員がズラッと並んでいたのである。そのため、最高の瞬間に肝心の選手たちが隠れてしまったという悲劇が起きた。

李忠成のスーパーボレーで日本がオーストラリアを下した2011年大会でも、やはり同様のことが起きていた。

こちらは長谷部誠がトロフィーを掲げた直後の写真だが、拍手を終えたAFCの役員はあろうことから正面からステージを降りようとしている。

現地にいたカメラマンやフォトグラファーにとっては、邪魔で仕方なかったのではなかろうか。

こうしたAFCの運営は、「選手が主役」という意識が希薄なゆえのものだろう。

FIFAやUEFA主催のメジャーコンペティションでは絶対にありえない光景であり、今後アジアカップなどの大会を一つ上のレベルにするにはこうしたところから見直してほしいものだ。

では、FIFAやUEFA主催の大会の例も見ていこう。

近年のEUROやワールドカップでは、ピッチ上ではなくメインスタンドに創設されたスペースでトロフィー授与が行われている。

そうした形式の変更もあって、キャプテンがトロフィーを掲げる瞬間には、基本的には選手の表情しか見えないようになっている。これこそが「最高の瞬間」に相応しい絵面だろう。

FIFAやUEFAでは、トロフィー授与の瞬間が一生残る特別なものであるという認識がされているに違いない。だからこそ、選手にスポットライトが当たるように設計しているのだ。

こちらは、2009-10シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝。

インテルが45年ぶりに欧制覇を成し遂げ、ハビエル・サネッティがビッグイヤーを掲げるという感動的なシーンだが、サネッティに優勝カップを手渡した直後のミシェル・プラティニ(当時UEFA会長)にご注目。まるで、逃げるようにして背後へと消えている。

プラティニはUEFAの会長時代、必ずこうしたセレモニーで同様の行動を取っていた。選手として数々のタイトルを獲得してきたからこそ、その瞬間が持つ本当の意味を理解していたに違いない。

優勝セレモニーの主役は、厳しい戦いを制した選手たちである。大会をより素晴らしいものにするためにも、AFCには世界基準の運営を期待したい。