31日、作家の村上春樹氏が「ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞」受賞に当たり行ったスピーチが、韓国で大きな注目を集めている。写真は韓国で出版された村上春樹氏の著書『職業としての小説家』。

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2016年10月31日、作家の村上春樹氏(67)が「ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞」受賞に当たり行ったスピーチが、韓国で大きな注目を集めている。

村上氏は30日、童話作家アンデルセンの出身地、デンマーク・オーデンセでの授賞式に出席、英語によるスピーチで「侵入者に対しどんなに高い壁を築こうが、どんなに厳しく部外者を排除しようが、そしてどれだけ自分たちに都合よく歴史を書き換えようが、結局は自分を傷つけるだけだ」と述べた。「壁」や「部外者」について具体的に明言はされなかったものの、日本のメディアはこれを、「世界で深刻化する難民など他者への排斥・差別感情や、歴史修正の動きに対する警鐘を鳴らすもの」などと伝えた。

一方、韓国メディアの多くは、村上氏の発言を日本に向けたものと捉え報じている。聯合ニュースは「歴史を修正すれば結局は自分たちが傷つく」との発言を見出しに用い、明確に「日本への苦言」と伝えた。また、KBSは記事の冒頭、「日本国内の右派勢力による『ヘイトスピーチ』や歴史歪曲(わいきょく)の動きが国際社会の懸念を呼んでいる」とし、そうした中で村上氏の発言が行われたとした。さらに韓国日報は、昨年8月の安倍晋三首相による戦後70年談話発表を前に、村上氏が「日本は相手国が『もういい』と言うまで謝るしかない」と発言したことを合わせて紹介した。

こうした報道は韓国のネットユーザーの関心を集め、記事には多くのコメントが寄せられている。

「日本の未来はこういう方たちに懸かっている」
「カッコいい。日本にも正しい考えを持った人たちがたくさんいるんだね」
「やっぱり尊敬される人は違うね。日本にこういう知識人が増えるといいな」
「さすがハルキ!」

「小説を歴史書に変えてしまっている日本政府にも、一言お願いしますよ」
「朴槿恵(パク・クネ)大統領にも言ってやってくれ」
「見た感じは近所によくいそうなおじさん風なのに、中身はクールガイだね」
「あなたのファンである私たちが恥をかかなくて済む発言、ありがとう」

「自分の考えと信念をはっきりと発言できるあなたを尊敬します」
「数少ないまともな日本人だ」
「きちんと学んだ人だね。謝罪とは相手がいいと言うまで続けるもの…やっぱり人には教育が必要なんだな」(翻訳・編集/吉金)