中国共産党は27日、24日から同日まで行った第18期中全会についての広報を発表した。同公報は、「習近平同志を核心とする党中央」との表現を用いたことで注目された。写真は第18期中央委員会第6回全体会議。

写真拡大

中国共産党は27日、24日から同日まで行った第18期中全会(第18期中央委員会第6回全体会議)についての広報を発表した。同公報は、「習近平同志を核心とする党中央」との表現を用いたことで注目された。

「核心とする」という表現はこれまで、毛沢東、トウ小平といった指導者、さらには江沢民元総書記(共産党指導者としては「総書記」、政府内では「国家主席」など。以下、同じ)に対して用いられた。しかし、胡錦濤前総書記に対しては「胡錦濤(同志)を総書記とする党中央」の言い方がほとんどだった。「核心」との表現は、報道で用いられることは時にあったが、使用はめっきり減った。

胡錦濤政権時代には、江沢民元総書記が極めて大きな影響力を持っており、共産党の最高指導層である中央政治局常務委員の9人も、半数以上が江元総書記のグループとみなされていた。

胡錦濤政権は結局、「集団指導体制」を強調することになった。具体的な政策については、立場が近い温家宝首相が采配を執る場合が多かったので「胡温体制」などとも言われた。したがって「核心」との表現も使わなくなったと考えられている。

さて、習近平総書記に対して改めて用いられるようになった「核心」という表現だが、日本人には、その「言葉のインパクト」が伝わりにくい面がある。原因は「漢字」だ。

日本は古い時代に中国から漢字を学んだわけだが、日本語と中国語では同じ漢字語でも意味が全く違う場合がある。たとえば、中国語の「汽車」は自動車を指すなどだ。

さらにやっかいなのは「ほぼ同じ意味だが、ニュアンスが違う」という言葉もあることだ。例として、「原則」という言葉がある。

日本人が「原則」と言えば「例外もありうる」という含みを伴う場合が多い。しかし中国人が、少なくとも公式の場で「原則」と表現したら、「変更することが許されない大原則」とのニュアンスだ。同じ「原則」という言葉を使っても、主張の方向性は正反対ということになる。

「核心」という言葉だが、ここで問題になるのが「核」という文字だ。日本語でも中国語でも「中心部分」を指すことは同じだが、中国語の「核」は「全体の中での唯一無二」のニュアンスが相当に強い。

話がずれてしまうが、このことに気づいたのは以前、中国人学者と議論をしていた時だった。(続く)

■筆者プロフィール:如月隼人
日本では数学とその他の科学分野を勉強したが、何を考えたか北京に留学して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業とするようになり、ついのめりこむ。「中国の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執筆。