『光』

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河瀬直美監督の新作映画『光』が2017年に公開されることがわかった。

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1997年に公開された『萌の朱雀』で同映画祭の新人監督賞にあたるカメラドールを史上最年少となる27歳で受賞した河瀬監督。2007年公開の『殯の森』ではグランプリに輝いたほか、2013年には長編コンペティション部門の審査員を務め、昨年には『フランス芸術文化勲章』を受章している。

『光』では、2015年公開の『あん』に出演した永瀬正敏が主演を務め、弱視のカメラマン・雅哉を演じる。共演にはバリアフリー映画の音声ガイド・美佐子役の水崎綾女をはじめ、神野三鈴、小市慢太郎、早織、大塚千弘、藤竜也が名を連ねている。脚本は河瀬監督自らが担当。

■永瀬正敏のコメント
・役作りについて
撮影の20日前には奈良に入り、実際の雅哉のマンションで暮らし始めました。スタッフの方と雅哉の部屋をつくるのに1週間の時間を費やし、部屋の写真は全て自分が撮りだめてきた未発表のものを使用しました。視覚障碍を持つ4〜5人の方とお会いしその生活を拝見させて頂いたり、自分自身で出来る事としては、決められたコースを目をつぶって歩く事を繰り返したりしながら、準備をしました。

・撮影中のエピソードについて
雅哉の部屋を含めて、他のロケセットでも光の入る時間や光の向きが計算されつくしていると思います。自然光の時間に合わせて、撮影をしていると言っても過言ではなく、この映画ならではのシーンになっている筈です。(映画のタイトルが『光』なので。)

■水崎綾女のコメント
・脚本を読んだ感想
実はオーディションの時、台本を2ページしか読ませてもらえなかったのですが、自分の好きなタイプの作品だと確信しました。撮影が始まっても、私だけ脚本をもらえていないのですが、24時間美佐子として生活する事で、不思議とすんなり台詞が出てくるのです。ストーリーの先が分からない分、予想がつかないけれど、順撮りをしているので、美佐子の気持ちがどんどん積み重なっていくという初めての経験をしています。

・美佐子を演じるための準備について
この役を頂くまで、ディスクライバー(映画の音声ガイドの原稿制作者)という仕事がある事も知りませんでした。
撮影に入る前、『あん』の音声ガイドを自分で作り、実際に視覚障碍者の方々の前で発表した時に、全く情景が伝わらないとボロクソに言われ、心から悔しい思いをしました。実際の撮影で使う音声ガイドの原稿も、自分で書かなければならないので、撮影が始まった今も毎日、美佐子の苦労と喜びをリアルに感じています。

■河瀬直美監督のコメント
・物語の着想について
『あん』で初めて音声ガイドをつくった時に原稿確認をしたのですが、音声ガイドそのものが、表現として素晴らしいものだと思いました。原稿を作られた方が、監督以上に作品の事を考えてくれる、同志のように感じられたのです。昨年のカンヌの頃から、音声ガイドの製作をする方を主人公にした作品を作りたい、と考えるようになりました。

・主人公である弱視のカメラマンは当初から永瀬をイメージしていたか
そうです。永瀬さんとは、『あん』でカンヌへ行った時から、また一緒に映画を作りたいですね、と話していました。実際に、永瀬さんのカメラマンとして活躍ぶりを見見てきたので、今回の役柄は彼しかいないと思っていました。

・ヒロインに水崎を選んだ理由について
何人も何度度もオーディションをして水崎さんに決定しました。
感情をそのまま素直に出す所が、美佐子の役柄に合っていると感じたのです。