コネチカット州スタンフォードに本社を置く、ガートナー社のレポートによれば、2020年までに200億のコネクテッドデバイスが世界に出回るという。企業は現時点でもこれらデバイスの恩恵を受けているが、IoTによってデバイスが進歩し市場が飽和していくなか、その価値を今以上にできるのだろうか?

IoTデバイスの盛り上がりが収まる気配はまだないが、一方でデータの保存および管理に厳しい目が向けられている。IoTの進歩の決め手は、「いかにデータを迅速かつ効率的に処理できるか」という点にかかっており、現時点では足かせの付いた状態だ。最近ふたたび注目を集めているAIがその解決に一役買うかどうかは、大変に興味深いことである。

どちらの分野でも急速なイノベーションが起きているが、その行き着く先はどういったものになるのだろう。

機械学習 vs. AI

「機械学習(マシンラーニング)と人工知能(AI)はどう異なるのか」という問いは、現代のデジタル化において一般的かつ重要な問いである。機械学習とは、コンピュータに多くのデータを与えそこに潜むパターンを学習させることで、人がいちいちプログラムすることなく知見を導き出せるようにする科学のことだ。一方でAIとは、人の状況判断や学習プロセスを模倣する科学のことである。

機械学習は人間同等レベルのAIを実現する1つの方法だが、IoTの世界ではAIによる恩恵の方が大きくなるだろう。というのも、IoT世界における開発や拡張のペースがますます早くなってきているためだ。AIは学習に必要な人の手が最小限であることから、IoTイノベーションのペースについていくに相応しい。

即座に使える知見をもたらせることができれば、IoTのデータはその真価を発揮する。つまり、データは即座にかつ正確に分析され、企業やコネクテッドデバイスの間で止まることなくフィードバックされなければならない。

残念なことに、そのためのプログラムを書くという従来のやり方は時間がかかりすぎ、エラーも起こりやすい。データを効率的に分析するため、企業は機械学習に基づくAIに移行し、パターンや相関性を発掘しようとしている。

AIとIoTの共存を模索する

AIによるリアルタイム分析を助けるコネクテッドデバイスはすでにあり、その活用の幅は広がりを見せようとしている。AIを使って室温の好みを学習し、エネルギー消費を調節するNestのサーモスタットなどはいい例だろう。さらに言うと、Teslaが販売している車はすべてネットワークとして機能するため、たとえばある車が何かを学習すればその恩恵は他のあらゆる車にも波及することになる。

そして企業は、家庭や政府と比べるとIoTデバイスを導入しやすい立ち位置にいる。IoTによる恩恵を受けやすいということでもある。企業のIoTへの投資は全世界で2019年までに2550億ドルに達すると見られている。

また、そのことを報じたレポートによると、2019年までにIoT市場は単独でスマートフォンおよびタブレットを合わせたものよりも大きな規模になるという。

すでにAIによるリアルタイムな意思決定は、企業において活用されている。AIがもつ、繋がっているコンポーネントを同時並行に処理する能力は、企業にとって非常に有益なものなのだ。その用途には、たとえば売上予想や情報管理、さまざまなオートメーションが挙げられるだろう。

今後の道のり

今後、自然言語処理技術の開発がより進めば、IoTにおけるAIの価値はさらに上がるだろう。自然言語ベースのデータ記述は、さまざまなインターネットデバイスがやり取りするための共通の方法を提供することになる。このアプローチは、IoTの種別を問わずデータの分析ができるようになるだけでなく、人が音声や文字を通じてIoTデバイスと直接やり取りすることも可能とするのだ。

そして、IoTとAIは、将来ともに進歩していく関係となるだろう。片方が発展すれば、もう片方にもより多くのチャンスが訪れるといった具合だ。人と直接やり取りするよう設計されたIoTデバイスは、人間レベルの言語能力や学習能力を必要とする。そうなると自ずとAIの進歩も促されることだろう。

問題は、AIとIoTの進歩により我々人間の立ち位置がどうなるか、だろうか。AIとIoTのように、相乗効果を生む上手な共存を図りたいものだ。

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DEAN TANG
[原文4]