厳しいジャッジと新たな挑戦に苦しみながらも、それぞれに未来への伸びしろを感じさせたスケートカナダ日本勢の巻。
全部、伸びしろですねぇ!

平昌五輪のプレシーズン、フィギュアスケートGPシリーズ・スケートカナダには、日本男女シングルのエース格がダブルで登場。すでにスケートアメリカで先陣を切っている宇野昌磨クン・浅田真央さんらと合わせ、いよいよシーズンも本番突入。氷の上なのに熱い戦いの始まりです。

それにしても、集いに集った有力選手たち。スケートカナダどころか世界選手権なんじゃないかというほど各地域の有力選手が集まってきました。「ヨーロッパ勢はロシアとフランスに出るんじゃないの!」という気もしないではないですが、まぁこのあたりはシーズンの流れというのもあるのでしょう。早めに一戦やりたいのが人情ですしね。

やはり、多くの選手が新プログラムを実戦投入するこの時期は、いち早くジャッジの評価を確かめたいもの。何か問題点があるようならシーズンを通じて改善していくという意味でも、早めに評価を受けたいし、厳しいジャッジをするなら、今の時期にしてもらうほうがありがたい。「今まで甘めにスルーしてたけど世界選手権なんで厳しくいきますね」とかやられたら、ダマされた感が強いですからね。

さて、早速その「ジャッジ」の洗礼を浴びたのは本郷理華さん。SPはカルミナブラーナを雄大に演じ、全体をしっかりまとめる好演技。すごく点数に影響するということではない部分ですが、ウィンドミルで足をぶん回すところは、改めて見ると「デカい!」という特徴ある動き。竜巻旋風脚とか別の名前でもつけたいような気分です。フリーの演技中も含めて手足を伸ばした雄大な表現が見られ、昨季までは目立つ感じがあったいかり肩になる動きが、振り付けの中で上手く吸収されていたように感じます。全体としては進境見られる演技でした。

ただ、フリーのほうでは回転不足も含めてジャンプに「<」が刺さりまくります。何も指摘がないのは最後のトリプルサルコウだけという指摘祭りで、順位的にも大きく沈む格好に。オマケに衣装にまで難癖がつく始末。何が悪いのかはよくわかりませんが、もしあるとすれば「過度な露出」でしょうか。「グーグルのエロ規制みたいな難癖」「トゥクタミシェワのインスタのほうがエロい」「トゥクタミシェワの谷間はいつも出てるけどアレはエエんかい」「トゥクタミシェワのホットパンツもアカンやんけ」「トゥクタミシェワ最高!」と文句のひとつも言いたくなるようなツッコミではありますが。

確かに何となくエロかったですが、そこは良い意味でとらえていきたいもの。一般的な「フィギュアのお兄さん」視点としては、今の衣装イイんじゃないかと思います。基本的に「フィギュアのお兄さん」はこういうの好きですからね。今のところ、難癖をつけたジャッジもひとりだけのようなので、参考意見程度に留めておいていいんじゃないでしょうか。

↓「<」がなければ踊り自体は悪くないので、シーズン後半へ向けて上げていきましょう!


「楽しそう」という本郷さんの魅力を活かすためにも、まずしっかりと要素を決めることが大事!

ドーンと大きく跳んでいこう!

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日本のエース格・宮原知子さんも、「ノーミス」「すべての要素で加点」が特長というような選手であるわけですが、今大会はSPからアンダーローテーションやエッジエラーの指摘が相次ぎます。ステップから跳ぶトリプルフリップで、直前に回転方向にターンしているのにエッジエラーがつくとは、逆に「器用だな」と思わされるような指摘でしたが、厳しく見ればきっとそうなのでしょう。本人的にも「詰まった」という感覚があるとのこと。

さらにフリーではステップシークエンスがノーカウントになるという珍事も。ステップシークエンスがノーカウントになるとすれば、氷の面を十分に使っていない…要するに、小ぢんまりしているということくらいしか考えられません。確かにステップの開始位置がややリンク中央よりではあるものの、そこを指摘してくるとは。全体的に厳しいなという気がするジャッジ。まぁ、これもまた勉強と思って、今後に活かしていくしかありません。

↓ステップのノーカウントで5点くらい損していると思えば、まずまずの初戦!


意識も選曲も積極的になってきている!

演技も守りに入るのではなく、攻めの気持ちで!

「ノーミス」「安定感」の定評を超越して平昌へ行こう!

同じく日本勢からは永井優香さんも、ジャンプの修正中ということもあって、SPでは多くのジャンプが抜けてしまい、要素抜けのノーカウントを連発する苦しい立ち上がり。ただ、平昌を本気で目指すならば、今しかそれをやるチャンスはないわけで、前向きな低迷と考えるべき。フリーでは挽回の兆しも見えていましたし、見据えるはもっと先、といったところでしょうか。

↓どうでもいいですけど、日本勢は3選手揃って白い衣装でティアラ風髪飾り付きで、ギリシャの女神戦隊か何かのよう!

選手A:「ちょっとアンタたち…」
選手B:「ドンかぶってますね…」
選手C:「かぶってるなんてもんじゃないです…」
選手A:「誰か黒にしてよ…」
選手B:「いやいやいやいや無理でしょ…」
選手C:「先輩が黒にしてくれてもいいんですけど…」
選手A:「無理…アラビアの姫だもん」
選手B:「私も無理です…スターウォーズのレイア姫だもん」
選手C:「ダースベイダーとかにできませんか?」
選手B:「シャーーーーッ!!」
選手C:「ひぃっ」
選手B:「あなた、衣装がエロいって指摘されてるんだから黒にしなさいよ」
選手A:「エロいのは衣装のせいじゃないって!」
選手A:「もしあるとしたら私の魅力!」
選手A:「そっちこそズボンでもはきなさいよ!」
選手B:「私だってそういう方面追ってるもん!」
選手B:「エキシとかがっぱり背中出てるもん!」
選手B:「積極的になるんだもん!」
選手C:「まぁまぁ、全日本までは出場大会別ですから」
選手A:「それ全日本でドンかぶるってことでしょ!」
選手B:「ただでさえクリスマスとかぶる季節なのよ!」
選手A:「白オン白でチカチカするのよ!」
選手D:「今季は僕も白づくめ着るよー」
一同:「もう!白ばっかり!」

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そんな中で、しっかりとSP・フリーともにトップをとったのは世界女王のメドベージェワ。SPでは3つすべてのジャンプを後半に跳び、フリーでも5つのジャンプを後半に持ってくるハードな構成。しかし、ほかの選手にはあれだけ刺さりまくった「<」が、わずかに1つついただけというのは、さすがの世界女王です。

北米勢の躍進だけなら「ホームなので」という話も出るのでしょうが、こうして余裕をもってクリアしていくメドベージェワを見せられると、まだまだ上を意識しないといけないのだなと思わされます。ギリギリではなく余裕を持ってこそ、表現にも幅が出せるというもの。「ちょっとした」部分での差がまだありますよ…という指摘、今はありがたく受け止めたいものです。

↓リンク外では、今季放送中のフィギュアスケートアニメ「ユーリ!」のグッズを差し入れされて、大歓喜!

よし、アニオタをこじらせて日本に押しかけてくる第3のキャラを「ユーリ!」に入れよう!

四角関係でコーチを取り合う泥沼展開や!

「一進一進」を掲げ、退く気はないと言い放ったのは絶対王者・羽生結弦氏。オールバック&白パンツに対するお客の慣れが「一進」する中で、SPは演技としては苦しいものに。冒頭の4回転ループは抜けて、完全に前向きでヒザをつく着氷に。さらにつづく4回転サルコウも完全に3回転になってしまう失敗ジャンプで、コンボも抜ける格好になってしまいます。狙っている音ハメともわずかにズレているような感じが見受けられ、全体的にまだまだこれからといったところ。

それでも、リンクではしっかりと明るい表情でフィニッシュしたのは「一進」でしょうか。ミスがあったからといって、それですべてが終わってしまうわけでもなく、演じる以上はフィニッシュまで演じきってこそエンターテナー。歌詞間違えるたびにしかめつらする歌手がいないように、踊り手の反省も舞台を降りてから始まる。前向きヒザつきランディングも、何なら「ココでギターソロしてます」くらい言い張ったらいいのです。

フリーでも冒頭の4回転ループは転倒となり、演技後半の4回転サルコウも抜けるなど、ジャンプはもうひとつという内容。スピンでもよろめく場面があるなど、完成にはほど遠い状態です。得点とはあまり関係のない部分ではあるものの、得意の荒川式のイナバウワーが軽い感じだったのは、物足りなさも感じました。

しかし、しっかりと得点ではSPの出遅れを挽回し、最終順位で2位に入ったのは「一進」も「二進」もある成果。まだ仕上がり途上の状態で、GPファイナル進出への十分なポイントを獲れたのは、道のりとしては最高でしょう。ホップ・ステップ・ジャンプで大事な全日本、大事な世界選手権に上げていく流れ。本人的には連戦連勝が希望なのかもしれませんが、今は低調くらいでちょうどいい塩梅だと思います。

↓まだまだこれからという「伸びしろ」を感じる演技!


震えるがいい、この伸びしろに!

夏の間に伸びしろを仕込んできたぞ!

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優勝したのはカナダのパトリック・チャン。SPでは苦手のアクセルで転倒もあるものの、それも込みでのトップ発進。フリーでは羽生氏にまくられますが、しっかりと逃げ切っての優勝です。今季は4回転サルコウを加えて、ジャンプキングたちの「4回転3種」構成にガブリと食らいつき、出来栄えの部分で勝負していこうというニュー・パトリック・チャン。初戦の結果は、本人的にも選んだ道の正しさを感じるものでしょう。みんな伸びしろを残してる中で、完成した演技で勝っても参考になりませんからね。

チャンが4回転2種を跳ぶなら、もっと跳べるタイプの選手は3種を跳ぶくらいが標準となるというもの。今大会で好結果を残したカナダのレイノルズも、ジャンプ巧者としては当然かもしれませんが、フリーでは2種の4回転を2度ずつ入れるという構成でした。日本の無良崇人さんも、フリーで大きく沈む演技になるも、4回転サルコウを加える意欲的な演技でした。それぞれが新たな伸びしろを追って、演技をアップデートしてきています。

もはや4回転は大技でも何でもなく標準技。跳べて当たり前であり、回数や種類、質を問うていく段階。そういう意味では、去年の結果だけを見て「2種3回で十分」なんて言うのは見通しが甘く、リスクをとってさらなる4回転に挑むような姿勢があってこそ頂点への道がつながるというもの。今の結果よりも未来の結果にとらわれて、もがいていってほしいですね。その苦しみこそが、「伸びしろ」ですからね!

↓なお、羽生結弦氏の今大会最高の演技はエキシビションの「星降る夜」でした!



フワフワの衣装!背中出し!

ツイズル祭り!

大きなレイバックイナバウワー!

バレエのジャンプのように跳ぶシングルアクセル!

演技全般での鳥ポーズ!

決めポーズでの白鳥の顔!

ビールマンもハイドロもある羽生結弦全部入り!

優美である!耽美である!

試合では不完全燃焼のお客も、これなら大満足でしょう!


現時点では伸びしろがあり、それを2018年2月までに埋めるのが、理想!