金正恩氏

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北朝鮮全域に麻薬密売、性的暴力、わいせつ物の流通など「資本主義型退廃犯罪」が拡散し、体制を脅かす深刻な社会問題となっているとして北朝鮮当局の内部文書を入手したと、韓国の韓国日報が12日に報じた。

わいせつ行為を撮影

北朝鮮は朝鮮労働党、国家安全保衛部(秘密警察)、人民保安省(警察)からなる「強力犯罪取締常務組織」を立ち上げ、取り締まりに全力を尽くしているが、公開銃殺などの残酷な処罰で接しても、このような「犯罪行為」は収まらない。

韓国日報は12日、対北朝鮮情報筋から入手した「群衆政治事業提綱」というタイトルの文書によると、住民の間では覚せい剤など違法薬物の密造・密売が手頃な商売として認識され、日常的に流通している。

薬物に関連した強盗殺人、性的暴行、拉致に加え、わいせつ行為を撮影、流布する犯罪が頻発している。売春、窃盗などの食い扶持に困っての犯罪が多かった従来とは異なり、「資本主義型退廃犯罪」が増加しているというのだ。

(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

恥部をさらす

群衆政治事業提綱は今年5月に第7回朝鮮労働党大会の後に住民の結束を求める趣旨で作成されたもので、保衛部が各地域の労働党などに配布した行動指針書だ。

中国との往来が頻繁な新義州(シニジュ)など国境地域のみならず、咸鏡南道(ハムギョンナムド)、平安南道(ピョンアンナムド)など北朝鮮の全域で発生した薬物事犯の事例が記録されている。

東国大学北韓学科のキム・ヨンヒョン教授は韓国日報の取材に対し、「従来なら政治スローガン一色の群衆政治事業提綱に、北朝鮮社会の恥部をさらすような内容が書かれているのは非常に異例」と述べた。

金正恩党委員長は第7回党大会の事業総和報告で「帝国主義思想文化は健全な精神を麻痺させ、社会主義の基礎を壊す危険な毒素」「わが国の内部に異色的な思想文化と変態的な生活様式が絶対に侵襲できないようにしなければならない」と強調している。薬物犯罪に対する体制の危機感を示したものと受け止められる部分だ。

北朝鮮は違法薬物、性、外国映像の視聴などを反国家犯罪とみなし、大々的に取り締まりを行っている。事件の裁判を保衛部の特別軍事裁判所が直接扱うなど、重罰化も進んでいる。

しかし、日常生活に浸透した「資本主義型退廃犯罪」を撲滅するには至っていない。