発売1か月で2万7000台ものオーダーを集めたというホンダのコンパクトミニバン「フリード」に、横浜みなとみらいの街中で試乗することができました。

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初期受注では、ミリ波レーダーと単眼カメラを使った先進安全技術「ホンダセンシング」の装着率が82%を超えているというのも注目ですが、それだけ安全・安心を求めているユーザーが選んでいるということでしょう。

実際、運転してみても市街地走行であっても、リヤタイヤがどっしりと落ち着いた印象があり、車高の高いミニバンにありがちな不安は感じません。それでいて、ハンドル操作への反応がダルというわけではなく、むしろリニアに向きを変え始めるという印象。

1.5リッターのハイブリッドとガソリン直噴のパワーユニットを積むことから同社のコンパクトカー「フィット」派生のミニバンと思われているフリードですが、今回のフルモデルチェンジでは実質的に専用設計といえるプラットフォームを与えられているのです。その成果は、安心感のあるシャシー性能につながっているといえるでしょう。

ところで、ハイブリッドとガソリンエンジンが設定されるクルマでは、モーターによるひと押しがある分だけハイブリッドのほうがパフォーマンスに有利という印象もありますが、意外にもフリードについてはガソリン車のほうが速いのだとか。

環境負荷も抑えるレアアースフリーのネオジム磁石を世界で初めて使ったハイブリッドパワートレインは、ファイナルギヤだけでなく7速DCTの変速比もフリード専用に仕立てるほど力の入ったものですが、その変更は燃費と加速性能をバランスさせるというのが大きな狙い。

そのため、1.5リッターエンジンは、ヴェゼルハイブリッドなどが使う直噴タイプではなく、効率重視のアトキンソンサイクル(ポート噴射)仕様となっています。

一方、ガソリン車に与えられたi-VTECガソリン直噴エンジンは、最高出力131馬力もあるパフォーマンス重視のキャラクター。

実際、アクセルを踏んでみてもグッと出ていく印象が強いものとなっています。また最高出力発生回転が6600rpmという、いまどきのエンジンとしては高回転寄りなキャラクターも、CVTならではの伸びやかな加速とも相性がいいのかもしれません。

その辺りの印象について開発者に理由を訊くと、「ガソリン仕様のほうがハイブリッドよりも少しだけ加速は鋭いのは事実です。社内測定による0-100km/h加速ではコンマ数秒ほどガソリン車が速くなっています」と言います。

とはいえ、パワートレインの性格差だけではなく「車重が違う(ハイブリッドのほうが60kgほど重い)のが一番効いているかもしれません」と物理的な違いが大きいことも、エンジニア氏は教えてくれたのでした。

●ホンダ・フリード ハイブリッドB(FWD)
車両型式:DAA-GB7
全長:4265mm
全幅:1695mm
全高:1710mm
ホイールベース:2740mm
車両重量:1400kg
乗車定員:6名
エンジン型式:LEB
エンジン形式:直列4気筒DOHC(アトキンソンサイクル)
総排気量:1496cc
最高出力:81kW(110PS)/6000rpm
最大トルク:134Nm(13.7kg-m)/5000rpm
変速装置:7速DCT
モーター型式:H1
モーター形式:交流同期発電機
モーター最高出力:22kW(29.5PS)/1313-2000rpm
最大トルク:160Nm(16.3kg-m)/0-1313rpm
燃料消費率:27.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:185/65R15
メーカー希望小売価格(税込):227万6000円

●ホンダ・フリードB(FWD)
車両型式:DBA-GB5
全長:4265mm
全幅:1695mm
全高:1710mm
ホイールベース:2740mm
車両重量:1340kg
乗車定員:6名
エンジン型式:L15B
エンジン形式:直列4気筒ガソリン直噴
総排気量:1496cc
最高出力:96kW(131PS)/6600rpm
最大トルク:155Nm(15.8kg-m)/4600rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:19.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:185/65R15
メーカー希望小売価格(税込):190万円

(写真:門真 俊 文:山本晋也)

ホンダ・フリードはハイブリッドよりガソリン車の方が速い!?(http://clicccar.com/2016/10/31/412416/)