トランプ氏の巨大マグカップの中には、普通サイズのマグカップが商品として積まれていた。「Proudly made in Mexico by Mexicans (メキシコ国内でメキシコ人によって誇りをもって作られました)」という文が、メキシコとの国境に壁を作ると主張する同氏への強力な皮肉になっている

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 11月8日の米大統領選挙投票日が迫り、選挙戦もいよいよ佳境に入っている。民主党候補のヒラリー・クリントン、共和党候補のドナルド・トランプ両氏のお膝元であるニューヨークではさぞかし関心が高まり、選挙戦が白熱しているのでは、と思いきや……。

◆クリントン・トランプ両候補の半裸像が!?

 今、ニューヨークの街中では、意外な現象が起きている。

 クリントン、トランプ両氏が討論会で舌戦を繰り広げ盛り上がりを見せていた10月のある日、マンハッタンの最南端にあるボウリング・グリーンという地下鉄駅前に、こつ然とクリントン氏の半裸像が現れた。薄緑色のコートを羽織っているが両乳房は丸出しで、小さな白いショーツをはいてはいるもののお腹周りも露出しており、禿頭のビジネスマンか銀行員のような男の顔が右乳房に吸い付こうとしているという、なんともハレンチな像で、早朝に何者かが歩道に置き去っていき、あっという間に騒ぎとなった。

 クリントン氏だけではなく、トランプ氏像も現れている。8月にはマンハッタン中心部にあるユニオン・スクエアにトランプ氏のヌード像が出現して話題になったが、10月にはマンハッタンの数か所に「喋るトランプ像」が現れた。その像は電話ボックスのような四面いガラス張りの箱に入っており、スーツ姿のトランプ氏がテーブルの前に座り水晶玉を見ながら「私にはアメリカの未来がすべて見える」などと喋るのだ。ミッドタウンにある同氏所有の高級ホテルの前や、巨大メディアグループのニュース・コープ社前など複数の場所に出現し、こちらもちょっとした騒動となった。

 五番街にそびえ立つ金色に輝くトランプタワーの前には、裸のパフォーマーが出現している。パンツ一丁でブーツを履き、頭にはカーボーイハット、星条旗をあしらったギターを抱えてカントリー音楽風の替え歌でトランプ氏支持を訴え、パンツのお尻には「TORUMP」の文字。タワーの前は野次馬でごった返し、彼らの多くがスマホのカメラでそのパフォーマーを撮影していた。

 街中やニューヨークの空港内にある雑貨店や土産物店にはクリントン、トランプ両氏のグッズが多数並ぶようになったが、両氏の似顔絵や名前が入ったマグカップやキーホルダーなど何の変哲もないグッズよりも、かなり強烈なものが目立っていた。例えばダウンタウンのブロードウエイ沿いにある雑貨店には、外のショーウィンドウにいきなりトランプグッズのディスプレーが展示されている。トランプ氏の顔のイラストと「HUUUUGE ! ASSHOLE(でかーい!尻の穴)」の文字が入った直径50センチほどの大きさのマグカップが鎮座し、その中や上には白い紙に同氏の数々の暴言が印字されている。

 店内に入ると歴代の大統領も含めた大統領関連グッズのコーナーがあり、一番大きなスペースを取っているのはやはりトランプグッズだった。トランプ氏の顔のイラストが入ったマグカップやトレーに混じって、コンドームやトイレットペーパーといったジョークグッズも多い。四角いコンドームのパッケージを見るとトランプ氏のイラストに同氏の名セリフ「I’m HUUUUGE ! 」というシャレの効いた文字が入っている。

 こうしてクリントン氏対トランプ氏の大統領選は、お膝元ニューヨークではもはや「おちゃらけ」でしかないようである。間もなく2人のうちのどちらかが米国第45代大統領に選出されることになるが、どちらが選ばれるにせよ、ニューヨークは妙な盛り上がりを見せることになりそうだ。

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<取材・文・撮影/水次祥子>