犬童一心(右)と山内章弘氏

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 庵野秀明が総監督・脚本を務めた映画「シン・ゴジラ」が10月30日、第29回東京国際映画祭のJapan Now部門で上映され、出演した映画監督・犬童一心、エグゼクティブプロデューサーの山内章弘氏がTOHOシネマズ六本木ヒルズでのティーチインに出席。山内氏は、クランクインにいたるまでの苦労を吐露した。

 ゴジラ出現当初、対応に手を焼く政府から招へいされた御用学者役を演じた犬童。「樋口さんは職人ですけど、庵野さんはアーティスト。アーティストに『ゴジラ』を頼むのは、危険だと思わなかったですか?」とズバッと切り込む。これには山内氏も、苦笑しながら「もちろん不安でしたよ」と即答し、「まず脚本が、計算すると3時間分くらいあった。単純に『短く』と思いました。討議をしましたが、ヤシオリ作戦のブロックを全部やめてしまうことも話しました。今見ると、それは絶対にないですけど」と振り返った。

 しかし庵野総監督は「絶対2時間で収まる」と主張を曲げなかったそうで、山内氏は「『僕らはそう言う監督にどれだけ騙されてきたと思いますか。確証がないとクランクインできません』と話しました。そこで声優さんをたてて、ラジオドラマのようなものをつくったんです」と明かす。そして、「声優さんで1時間37分、そこにゴジラの特撮などが入って2時間だと。でも(間が)たっぷりめの役者さんばかりだから、無理だと思った」と説明すると、犬童は「平泉成さんがねえ。竹野内豊さんは意外と自由にやってますよね」と笑っていた。

 最終的に庵野総監督がビデオコンテを作成したことで、ようやく確証が得られたという。山内氏は「『現場に入ったら延びるでしょう』と言っても、『ちゃんと撮ります』と。ちゃんと2時間くらいに収まったんですけど、柄本明さんや平泉さんまでもが、『これは早くしゃべらないとセリフを切られる』と思っていたそうです(笑)」と語っていた。

 観客からのQ&Aでは、「次の『ゴジラ』はどのように?」という質問が飛んだ。山内氏は「先にハリウッド版がやってきますし、来年はアニメのゴジラもあります。そこでどうつくるのか、皆さんからアイデアを頂きたいくらいです」。一方で、リアリティを追求した今作に「興行的にすこし下がりつつ、一度幕を閉じたシリーズなので、新作で同じことをやっても意味がないと思っていた。庵野さんという差異を用いて、『ゴジラ』がまったく違う再生の仕方ができれば、これから先も同じ年月続けられるとも思った」と胸を張ると、犬童は「第2作の出演、お願いします!」と抜け目なくリクエストしていた。

 第29回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。