エドウィン監督と主演のニコラス・サプトラ

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 第29回東京国際映画祭と国際交流基金アジアセンター共催による「CROSSCUT ASIA」部門で特集されるインドネシア映画「舟の上、だれかの妻、だれかの夫」が10月30日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、エドウィン監督と主演のニコラス・サプトラがティーチインを行った。

 インドネシア東部のマルク諸島に残る100年前の不倫の逸話をベースに、その伝承を調べるためにやってきた女性と旅の青年との出会いを神秘的な映像美の中で描く。韓国・チョンジュ国際映画祭のオムニバス企画「デジタル三人三色」の1編で55分の中編のため上映時間に関する質問も出たが、エドウィン監督は「僕は短編も長編も撮っているが、尺を決め込んで撮ることはしない。そういうパターンには陥りたくなかったし、今までやったこのないパターンとして55分になった」と必然であったことを強調した。

 同国の著名な作家セノ・グミラ・アジダルマの短編小説が原作で、自ら脚本も担当。夕暮れの船の上でのラブシーンで、イスラム教の礼拝の音が入っていることが禁忌ではないのかという質問に関しては、「決してタブーではない。撮影中は気づかなかったんだ。編集をしている時に気づいたけれど、消せなかったからそのままにした」と鋭い指摘に苦笑交じりで答えた。

 サプトラは、これまで東京国際映画祭で出演作が6本上映されているそうだが、参加は初めてで「エキサイティングな経験をしている」と笑顔。相手役の女優マリアナ・レナタとは8年ぶり2度目の共演だったが、「彼女はニューヨークに住んでいて撮影の2日目から参加したが、ギャップを感じさせない感覚に優れていてリラックスして取り組んでいた。すぐ環境になじめるところは、プロフェッショナルだね」と評価していた。

 第29回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。