うつ病の患者は年々増えており、厚生労働省の統計では2014年の1年間で約120万人が治療を受けている。しかし、医師が患者の「主観」に振り回されるなど、客観的な診断が難しいことが問題になっている。

国立経済産業研究所のチームが、「声」を聞くだけで、かなり高い精度でうつ病かどうか診断できる装置を開発、2016年9月、論文を同研究所のウェブサイト上で公開した。

論文によると、研究チームはオンラインで20〜69歳までの約2000人の被験者を募集。音声を2か月おきに3回吹き込んでもらい、音声データを収集した。また、うつ病の診断に使われる質問票に答えてもらい、うつ症状の度合いをデータに収集した。そして、話している人の音声から感情を読み取る最新の「音声感情認識装置」を使い、うつ状態の有無を音声データから分析する数学的な「公式」を作り出した。

この「公式」を使うと、「こんな声のパターンなら、うつ病の可能性が高い」と90%以上の制度で割り出すという。研究チームは、論文の中で、「うつ病かどうかの診断は、医療現場だけではなく、従業員のストレスチェック制度が導入されている企業でも使えます。実用化に向けた研究を進めたい」とコメントしている。