Doctors Me(ドクターズミー)- 《マタハラの4つのタイプ》事例・対処法・逆マタハラを詳しく理解しよう

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近年よく耳にするようになった言葉「マタハラ」。マタニティハラスメントの略で、妊婦に対する様々な嫌がらせを指します。

社会問題にもなっているマタハラについてですが、マタハラという単語ほどは、その内容への理解は進んでいないのかもしれません。

今回はそのマタハラの実情についてまとめました。

要チェック項目


□マタハラとは、主に働く女性が職場で受ける嫌がらせや不利益を強要されること
□マタハラには4つのタイプがある
□マタハラは古い価値観や労働環境、周囲の理解のなさが原因

マタハラとは?


マタニティハラスメントとは、主に働く女性が職場で受けるさまざまな嫌がらせや不利益を強要されることを指します。

具体的には、妊娠したことで通常通り働けなくなった女性に対して、精神的や肉体的な嫌がらせがあったり、降格、配置転換、最悪の場合は解雇といった事が起こっています。

これらは男女雇用機会均等法や労働基準法によって禁止されている、いわば違法行為に当たります。

このようなマタハラの影響で、妊婦が思うように働けなかったり、流産や早産の危険にさらされたりしています。また、周囲が妊娠を避ける様な影響もあります。長いスパンで考えれば、少子化への影響も懸念されています。

マタハラは妊婦だけの問題ではなく、社会における働き方の問題や、労働力不足、経済に関わる問題としてとらえなければなりません。

日本でマタハラが問題になってきたのはここ最近ですが、アメリカでは40年ほど前、フランスではおばあちゃんの時代に問題にされていたことだと言われています。

日本のマタハラへの理解がどれだけ進んでいなかったかがわかりますね。

ではマタハラには具体的にどのような事例があるのでしょうか。

マタハラのタイプと事例

マタハラには大きく4つのタイプがあるとされています。

昭和の価値観押し付け型


女性は妊娠、出産を機に家庭に入るべきである、という考え方から起きるマタハラです。男は外で働き、女は家を守るという前時代的な価値観が未だに強く残っていることが考えられます。

具体的な事例として、
・「旦那さんの収入もあるんだから、仕事を辞めて育児に専念すべき」
・「君の身体を心配しているんだ」
などと言われ「だから辞めれば? 」と促されたりします。

いじめ型


妊娠した女性が通常通り仕事ができないことへの周囲の怒りが、いじめのような形で妊婦に向けられる場合です。女性から妊婦へのマタハラというパターンも見られます。

具体的な事例として、
・「妊婦がいると迷惑なんだよね。堕ろせば? 」
・「忙しいのに休むなんて」
などと嫌味を言われたりし、精神的につらい思いをします。

パワハラ型


産休や育休を認めない場合や、妊婦の体調のための時短勤務や欠勤などを認めない場合があります。

具体的な事例として、
・「妊婦として扱うつもりはない。特別扱いはしない」
・「残業できないなら必要ない」
などと言われ、体調や健診などを理由に仕事ができないことを許さない場合です。

追い出し型


長時間働けなくなる妊婦を職場から追い出すタイプのマタハラです。マタハラ被害の多くがこのパターンだと言われています。

具体的な事例として、
・「産休はありませんので、退職というかたちになります」
・「子どもを堕ろさないなら仕事は続けさせらない」
などと言われ、仕事を辞めさせられるパターンです。

マタハラの原因とは

マタハラが起きてしまう原因は以下のようなものだと言われています。

性別役割分業の意識


男は外で働き、女は家事や育児をするものだ、という意識です。この意識が強く根付いているために、妊娠した女性が職場を追い出されてしまうことにつながっているようです。

長時間労働


日本人の働き方の特徴として、長時間労働が挙げられています。残業は当たり前、有給休暇は取りにくい、そういった社会環境がマタハラへ繋がっていると考えられています。

妊娠・出産への知識がない


男性社員においても、また女性社員においても、妊娠や出産に対する理解が不足しているためにマタハラが起こると言われています。

会社のフォロー体制ができていない・制度運営が徹底されていない


妊婦が仕事を軽減されるための人員補充などのフォロー体制が整っていないことが指摘されています。また、会社の産休や育休の制度があっても取得がしにくかったり、もしくは制度自体がないという場合もあります。

このような企業の制度不足がマタハラにつながっていると考えられています。

マタハラにどう対処するか

マタハラを経験したことのある妊婦はおよそ3割にものぼるそうです。

マタハラが起きるのは、中小企業というイメージが強いかもしれませんが、実際は大企業でも起きています。

また、妊娠や出産に関する知識が少ない男性社員だけではなく、実際には女性社員からのマタハラも多く報告されています。

このようなマタハラ、妊婦にとっては精神的にも肉体的にもつらいことでしょう。我慢した挙句に、流産や早産に…という場合もありますから、一人で抱え込むのではなく、早めに相談することをおすすめします。

会社の相談窓口がある場合もありますし、役所などの相談窓口もあります。匿名OKの電話相談など、相談しやすいところを探してみましょう。

マタハラだけじゃない! 逆マタハラというパターンも…


これまではマタハラについて述べてきましたが、実は問題はそれだけではないのです。

「妊婦様」と皮肉を込めて呼ばれるような、マタハラを盾にして仕事をしない妊婦も問題になりつつあるのです。

これは「逆マタハラ」と言われています。妊娠中だから優遇されて当然、仕事をしなくて当然、休ませてもらっても、周囲に負担がかかっても当然、という態度の妊婦が一部にいると言われています。

このような妊婦は、上記のような態度が認められないとマタハラで訴えるなどと、マタハラを盾にわがままな態度をとります。

マタハラで訴えられると分が悪いのは会社の方ですので、これもまたハラスメントの一種として逆マタハラとされるのです。

ただし、このような逆マタハラを行う妊婦はごくごく少数です。しかし妊娠した際に気遣ってくれる周囲への感謝は忘れないようにしたいものです。

マタハラのない働きやすい社会へ

ここ数年でやっと社会の理解が追いついてきたマタハラ。今後この問題が日本の労働環境における重要課題となっていくことが予想されます。

どのように社会が変化していくのかが見守られることでしょう。

何にせよ、どんな人でもそれぞれの働き方で働ける社会、また相手を思いやることができる相互理解の気持ちが必要かもしれませんね。

(監修:Doctors Me 医師)