WEEKLY TOUR REPORT米ツアー・トピックス

 デービス・ラブIII(52歳/アメリカ)にとって、今年は実に素晴らしい1年になったに違いない。

 この秋に行なわれた米国選抜vs欧州選抜のチーム対抗戦、ライダーカップ(9月30日〜10月2日/ミネソタ州)で米国選抜の主将を務め、チームを8年ぶりの勝利に導くと、その後、2017年の『世界ゴルフ殿堂』入りすることが決まったのだ。

 早速、ラブIIIの殿堂入りの発表に大喜びしたのは、ライダーカップをともに戦った米国選抜のメンバーたちだ。

「米国チームの誇りだ。ラブが世界に飛び立つ」

 そうメンバー総意のコメントをチームとして発表。さらに、リッキー・ファウラー(27歳/アメリカ)は自らのSNSでこう綴った。

「ボクたちのキャプテンが殿堂入り! これからはSNSのハンドルネームに『LOVE 3rd HOF』と付け足そう」

 ラブIII自身の喜びもひとしおだった。

「まさか、私が選出されるとは思わなかった。ティム・フィンチェムPGAコミッショナーから連絡をもらったときには言葉を失った。こんなに名誉なことはないけれど、今もまだ信じられない」と、興奮気味に語った。

 世界26の組織で構成されている『世界ゴルフ殿堂』。以前、世界にいくつかあった殿堂も、1996年に創設されたこの組織に集約された。PGA・オブ・アメリカ(全米プロゴルフ協会)が主催していた殿堂も同様で、パインハーストにあった殿堂の品々は、1998年5月にオープンしたアメリカ・フロリダ州セントオーガスティンの『世界ゴルフヴィレッジ』にすべて移設。同ミュージアムに、これまで殿堂入りした選手のクラブや思い出の品などが飾られている。

 殿堂入りについては、1996年から毎年選出されてきたが、2013年以降は2年に1度に変更された。偶数年に選出された面々が発表され、奇数年にその授与式が行なわれる。

 今回殿堂入りを果たしたのは、5名。ラブIIIの他、男子プロは元世界ランキング1位で1991年のマスターズを制したイアン・ウーズナム(58歳/イギリス)、女子プロからはメジャー4勝のメグ・マローン(53歳/アメリカ)と、2006年から3年連続賞金女王に輝いたロレーナ・オチョア(34歳/メキシコ)が、そしてロンドンサンデータイムズの元記者で、ゴルフ中継のアナウンサーとして活躍した故ヘンリー・ロングハースト(イギリス)が選出された。授与式は来年9月、プレジデンツカップの開催週にニューヨーク州で行なわれる。

 また、2014年からは選出されるカテゴリーも見直され、これまで5つあった部門からインターナショナル部門がなくなって、男子、女子、ベテラン、ライフタイムアチーブメントの4部門となった。選出の条件は、例えば男子選手部門の場合、世界のツアーで15勝以上、もしくはメジャー(4大メジャーとプレーヤーズ選手権を含む)で2勝以上挙げていること。そのうえで、年齢制限が40歳から50歳に引き上げられた(もしくは現役を引退して5年以上が経過していること)。

 これらの条件を満たした中から、まずは候補者を事前の選考委員会が選出。その候補者について、ジャック・ニクラウス、ナンシー・ロペスら16人の委員が議論し、その後に投票を行なって、75%の賛成を得た者が殿堂入りとなる(2013年までは65%だった)。

 今年選ばれた5名を加えて、『世界ゴルフ殿堂入り』はこれで155名となった。

 これまで、日本から選出されたのは4名。2003年に樋口久子がライフタイムアチーブメント部門で選出され、2004年に青木功、2005年に岡本綾子、2011年に尾崎将司がそれぞれインターナショナル部門で選出され、殿堂入りした。

 ところで、2011年にアーニー・エルス、2012年にはフィル・ミケルソンが40代前半で殿堂入りしたが、賛否両論あった対象年齢が50歳に引き上げられたことで、現在40歳のタイガー・ウッズの殿堂入りはしばらくお預けとなった。

 ウッズのこれまでの実績からすれば、殿堂入りは間違いないが、このまま現役を続ければ10年先の話になる。もしツアー競技から退いたとしても、あと5年は待たなければいけない。そうした状況の中、ミケルソンはこう語る。

「殿堂入りできたことは、とても名誉なこと。でも、ゴルフはスポーツの中でも極めてキャリアが長いスポーツだから、生涯の記録を評価するためにも、対象年齢が50歳に引き上げられたことは賛成だ。ボクのキャリアだって、まだまだ進行中なんだから」

 実際、ミケルソンは殿堂入り後、2013年の全英オープンでメジャータイトルを獲得。40代での受賞は確かに早かったように感じられる。ウッズにしても「まだまだ勝ちたい。ジャック(・ニクラウス)の記録、メジャー18勝を破りたい」というのだから、殿堂入りはずっと先の話でいいかもしれない。

 何はともあれ、今はラブIIIら殿堂入りした5名を大いに祝福したい。

text by Reiko Takekawa/PGA