TBSドラマの鉄板枠・日曜劇場で放送開始された『IQ246〜華麗なる事件簿』(日曜21:00〜)。放送開始前からかなり力の入ったプロモーションを繰り広げていたこともあり、高視聴率をキープしているようだが、ボクの中では早くも「ある意味見ておくべき要注意ドラマ」枠入りしている。


IQ246という超絶頭脳を持つ貴族の末裔・法門寺沙羅駆(織田裕二)が、その頭脳を駆使して、難事件をズバズバ解決していく……はずなのだが、肝心の「難事件」のトリックがどうにもこうにもユルいのだ。

第1話に関しては連続ドラマの初回なので、登場人物や各種設定を説明する回という側面もあり、事件のトリックにあまり時間を割けなかったという事情もあったのかも知れない。

おディーン様演じるクールな執事・賢正や、熱血バカでかわいい刑事・和藤奏子(土屋太鳳)、死体が大好きすぎてちょっとサイコパス入っているが妙に乙女な監察医・森本朋美(中谷美紀)などなど、面白く動いてくれそうなキャラクターたちが続々登場してきて、今後に期待を持たせてくれた。

そんな主要キャラクターも出そろい、第2話から本格的に推理ドラマとなっていくのかと思いきや……。うーんと、前回以上にゆるゆるなトリックの事件でした!

犯人に「教えて」と聞く謎解きってアリか!?


第2話の事件は、リストに名前を書かれた犯罪者を悪魔が自殺に追い込む……という劇中の人気漫画『キルリスト』(まあ『デスノート』でしょうな)になぞらえた連続(偽装)自殺事件。

犯人は、妹を殺した容疑者が証拠不十分で不起訴となってしまい、法制度に絶望していた塾講師・前川公平(佐藤隆太)。

塾の教え子を同容疑者が誘拐しようとしている場面に出くわし、怒りが再び燃え上がっていたところ、本ドラマの黒幕「13」こと「M」から完全犯罪の指南メールが届き、自ら断罪することを決意する。

……のだが、その完全犯罪の手口が第1話に引き続き、かなりゴーイン!

基本的な筋書きとしては、ターゲットとは無関係な児童虐待の容疑者も事前に殺しておくことによって、本当にキルリストがあるんじゃないかと思わせるというもの。

それぞれ完全な密室の中で、被害者本人が自ら毒薬を飲んだというシチュエーションを作りあげた上で殺害している。

おおっ、完全犯罪っぽい! ……と思いきや、その方法はやはり力技だ。

まず密室トリックは、警察官のコスプレをして被害者の自宅を訪ね、ドアを開けさせて部屋に上がり込み、殺害してから室内にある鍵で玄関のドアを閉め、「通報があった」と管理人に言って再び一緒に部屋に入り、鍵をコッソリ室内に戻しておくことによって密室完成! ……というもの。

さらに、被害者自ら毒薬を飲むように仕向けたトリックは、毒の入った丸薬、無毒の丸薬がそれぞれ入ったふたつの瓶を用意してどちらかを選ばせ、もう片方の丸薬は自分が飲む、1/2の確率で生き残れるゲームを持ちかけるというもの(「どっちも選ばないならナイフ刺す!」と脅しながら)。

なんだそのトリック!?

この丸薬を使用した殺害方法、シャーロック・ホームズシリーズの第1作『緋色の研究』での殺害手法をモチーフにしたものだと思われるが、『緋色の研究』では「この世に正義というものがあるのか、それともただの偶然に支配されてるものなのか、これで決着がつく」ということで、犯人が本気で「神の公正な裁きを受けよう」と考えていたからこそなり立っている、運まかせな殺害方法なのだ。

一方、前川の場合、ガチで1/2勝負をして、妹を殺したターゲットにたどり着く前に自分が死んじゃったら意味がないため、この勝負に必ず勝たなければならない。

それではどうやって1/2勝負に連勝し続けていったのか!? 目線や表情で上手いこと誘導して毒薬入りの瓶を被害者に選ばせていたんだとか。……不確定要素が多すぎるよ!

両方とも毒入りの瓶を用意して、「どっちか選んで飲まないとナイフで刺し殺す!」と脅すだけでよかったんじゃ……。

この雑な犯行に対する、沙羅駆のIQ246を駆使した推理がまたイケていなかった。

早々に前川が犯人であるという目星をつけ、警官コスプレのトリックは見破ったものの、どうやって被害者に毒薬を飲ませたのかは分からず、結局、前川の自宅に乗り込んでいって本人に直球で、

「もしその手口を教えて頂けるのなら今まで私が推理したことは全部忘れましょう。アナタを警察に突き出すようなこともいたしません」

と取引を持ちかけたのだ。

事件の謎を解き明かすことのみに興味があり、犯人が逮捕されようがされなかろうが気にしないという沙羅駆のキャラクターが活かされているシーンではあるんだけど……そんな謎解きアリか!?

謎が解き明かされた後も、なぜか「警察にバラすかバラさないか」を賭けて沙羅駆と前川が丸薬選び対決をしたり、自殺しようとする前川とディーン・フジオカが毒薬をめぐってバトルを繰り広げたりと、よく分からない展開が続くのだが、……まあ、あのくだりはおディーン様のカッコイイ格闘シーンを見せるためのエピソードでしょうな。

エンドロールに「M」の正体の手がかりが!?


さて毎度毎度、ビミョーな完全犯罪ネタを提供している黒幕「13」こと「M」の正体ですが、前回のレビューでは「中谷美紀演じる監察医・森本朋美なんじゃない!? イニシャルMだし」と予想していましたが、さすがにそこまで分かりやすいヤツを黒幕にしないだろうという気持ちもありました。

第2話では「M」が、ショートカットにハイヒールを履いた女性であることが提示されており、少なくとも髪型は森本と一致するようにも見えるのだが、「M」と思われる人物の指先にマニキュアが塗られているのに対し、森本の指先にはマニキュアが塗られている様子はナシ。

やたらと森本が「ドM」であることも強調されているし、これで正体「M」だったらギャグでしょ!?

むしろ、そういうミスリードを誘っているんだろうなぁ〜……と思っていたんですが、エンドロールで、ネイリストの後藤絵美さんの肩書きが、第1話では「ネイリスト(中谷美紀)」となっていたのに、第2話では「ネイリスト」と変更されていることに気づいちゃったよ!

「あっ、ヤベエ、『ネイリスト(中谷美紀)』ってクレジットじゃ正体バレちゃわね?」

とスタッフが判断して変更したという可能性が……!?

ということで、引き続き「M」=森本説を推していきたいと思います(エンドロールもミスリードを誘う罠だったらスゴイけど)。

そして、第2話までは『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』などでコンビを組んでいた脚本・泉澤陽子&演出・木村ひさしという組み合わせだったが、今夜放送の第3話からはまた違う脚本家、演出家の組み合わせとなるようだ。

ゲスト犯人として観月ありさが登場することも予告されており、おディーン様と観月ありさのちょいラブエピソードもあるらしいとくれば期待せずにはいられない。

第3話こそ、IQ246を活かした本格推理ドラマを見せてもらいたいところだ!?
(イラストと文/北村ヂン)