なるか“7度目の正直”!U-19日本代表が7度目の決勝で初のアジア制覇へ挑戦

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 日本時間10月30日23時30分から、AFC U-19選手権の決勝戦がバーレーン・ナショナルスタジアムにて開催される。19歳以下のアジア王者を決めるこの大会において、日本は過去6回もファイナリストとなっているが、いずれも結果は準優勝。翌年のワールドユース(現U-20W杯)で準優勝を果たした小野伸二ら“黄金世代”ですら、このアジア舞台の決勝戦では韓国に敗れた。今回の決勝は、日本の東京五輪世代が挑む“7度目の正直”という言い方も可能だろう。

 29日の前日練習では軽めのメニューで、もはやルーチンワークに近い試合前のメニューを消化。各種のウォーミングアップからフォーメーション練習、そして紅白戦(10対10+1フリーマンの形式)を実施し、最後はPKとCKの練習で締めくくった。

 練習では準決勝を休養して“中5日”となる選手たちが軽快な動きを披露。特にFW岩崎悠人(京都橘高)はフォーメーション練習でクロスボールにダイビングヘッドで豪快に合わせたかと思えば、さらに抜け出しからの鋭いシュート、ニアサイドでのボレーシュートで次々にゴールネットを揺らし、好調ぶりを誇示。「いつも泥臭く狙っているので」と話しつつ、ランク首位と1点差の3得点に付けている現状も踏まえて、「そこ(得点王)は意識している。チームに貢献するにはそれ(点を取ること)が一番なので」と意欲を語った。

 これらの練習から推察されるメンバーはGK小島亨介(早稲田大)、DF藤谷壮(神戸)、冨安健洋(福岡)、中山雄太(柏)、舩木翔(C大阪U-18)、MF市丸瑞希(G大阪)、坂井大将(大分)、堂安律(G大阪)、三好康児(川崎F)、FW小川航基、そして岩崎というラインナップ。準々決勝と同じメンバーが先発に並ぶことになりそうだが、紅白戦では遠藤渓太(横浜FM)と長沼洋一(広島)がそれぞれファインゴールを突き刺すなど、準決勝を勝ち抜いて自信を得た控え組の状態も充実。交代策は決勝の大きなポイントとなりそうだ。

 ポイントと言えば、やはり守備面が大きな焦点だろう。ここまで5試合16得点の破壊力は疑う余地もない強力さ。「非常に得点力のあるチームだと思っている」と内山篤監督も警戒を深めるが、同時に選手たちには戦術面でやるべきことをやり切れば、十分に抑えられるとも伝えている。個の仕掛けが強力な相手に対して、「受け身になるのではなく、能動的な守備」(中山)を完遂できるかどうかが試合の分かれ目になりそうだ。

 また、ここまで無失点で来た日本だが、心理面では変に「0失点」ばかりを意識しないほうがいいかもしれない。ずっと無失点で来ていたチームが失点した途端にチームとして乱れてしまうのは、特にユース年代ではしばしば観られる現象だ。「むしろ失点する悪いイメージも持っていたほうがいい。失点しても『俺たちが点を取ったるで!』くらいの気持ち」を持っておいたほうが心理面では立て直しやすいはずだ。

 たとえ失点しようと劣勢になろうと、慌てる必要がないもう一つの理由はコンディション面になる。準決勝から中2日のサウジアラビアと、準決勝で主力を温存している日本の間に差がないはずもない。相手の動きが落ちる時間帯は「狙いどころになる」(岩崎)のは確実。ベンチには準決勝で結果を残したメンバーが交代カードとして居並んでおり、後半勝負になっても慌てる必要は皆無だろう。

 この決戦に際して内山監督は「僕自身が彼らに求めていることは、厳しい環境の中でプレーしながら自分で勝ち取っていくこと」とした上で、「彼ら自身によって、楽しいサッカー、アグレッシブなサッカーが決勝でもできるのかどうか。当然プレッシャーもかかる中にあって自分たちで(的確に)判断していけるかが求められるし、そういう選手がA代表の選手になっていける」と語った。日本サッカーの“7度目の正直”に挑むこの大会。敗北が続いた日本のU-19世代の流れを完全に覆し、日本サッカー新世代の力を示すための戦いが、いよいよ始まろうとしている。

(取材・文 川端暁彦)