北極に近い国・アイスランドには多くの火山があり、国土のあちこちで温泉が湧いています。そんなアイスランドでは、地面から沸く熱湯を使った地熱発電が活発に行われているのですが、民間でもその地熱を利用する生活の知恵があるようです。首都・レイキャビークから1時間ほどの場所にあるロイガルバトンと呼ばれる湖畔の地域では、熱湯が沸く砂に鍋を埋めて料理するという地熱の利用法があります。

Volcano Bread - YouTube

アイスランドにある温泉プール。このお湯は地面から沸く温水を利用して温められています。



スコップを手に持つ男性、ヴィクトールさんが湯気のあがるエリアへ。



湖畔の黒い砂場を歩き……



砂場から湯気が立ち上がる場所へ到着。



砂は多くの水気を含み、ふつふつと湯気が上がっています。これはどうやら温泉の熱湯が沸きだしている場所。



ヴァイキングのようなあごひげを蓄えたヴィクトールさん。「このあたりには3つの温泉が湧いています」



「1つは、地域の家庭の暖房用に使われ……」



「2つめはスパへと送られます。そして3つめはここから離れている場所にあって、1000年前からキリスト教の洗礼を授けるために使われています」



ヴィクトールさんはスコップで砂場を掘り始めます。するとその中からは……



小さな鍋が出現



フタを開け、中敷きを取ると、鍋の中には濃いブラウン色のパンができあがっていました。



できあがったのは、ライ麦を使った「アイスランド風ライ麦パン」だとのこと。材料はライ麦粉が4カップ、小麦粉2カップ、砂糖2カップ、ベーキングパウダー4さじ、牛乳1リットル、そして塩をひとつまみ。それなりの甘さがあるパンになっているようです。



ムービーを見ればわかるのですが、焼き上がりはプルプルしていて「パン」というよりは、しっとりとしたパウンドケーキのような見た目。



見た目がまるでチーズのようなバターをつけて食べると……



「おいしいわよ。あなたも食べる?」と感想を語る女性。甘さが強めのデザートのようなパンだそうです。



映像は再び砂場へ。穴を掘り、材料を入れた鍋を埋めたら……



上から砂をかけ、完全に埋めてしまいます。こうすることで、摂氏約100度の熱湯でゆっくり調理が行えるというわけです。



埋めた場所に小さな山を作り、仕上げに目印をつけて探しやすくして調理の準備は完了。このあと、24時間たつとアイスランド風ライ麦パンが完成します。このほかにも、じっくりと熱を通したラム肉などができあがる、「天然のスロークッカー」としてアイスランドの温泉は利用されているとのことです。