細田守監督と堤大介監督

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 第29回東京国際映画祭の特集企画「映画監督 細田守の世界」で10月29日、堤大介監督が手がけた短編アニメーション「ダム・キーパー」「ムーム(MOOM)」(ロバート・コンドウとの共同監督)が六本木アカデミーヒルズで上映された。細田守監督と堤監督が上映後にトークショー。堤監督のピクサー・アニメーション・スタジオ在籍時代から交流があったという2人は、互いの印象、コラボレーションの可能性について熱く語り合った。

 出会いのきっかけは、細田監督作「おおかみこどもの雨と雪」(2012)。同作をピクサー内で上映することになり「呼んでくれたのが堤さん。当時『モンスターズ・ユニバーシティ』の美術監督としてめちゃめちゃ忙しかったのにも関わらず、紹介してくださった」(細田監督)。堤監督は社内の反応を「ピクサーのシアターが満員になった。映画、そのあとのQ&Aも含めて細田さんの人間性に触れ、みんなが目を輝かせて帰ったんです。上映会の次の日も、その次の日も、僕が辞めたのはその数年後なんですが『上映ありがとう』ってすごく言われたんです。本当に大きな出来事でした」と告白した。

 またこの出会いは、堤監督がピクサー退職を決意する原因の一端にもなったという。「ピクサーをやめた理由っていろんなことがつながっているんですけど、細田さんも絡んでいまして。細田さんも僕も熱い人間なので、『おおかみこども』の上映会の後に、食事をしながらいろいろ話していると『堤さん、監督向きだよね。アートディレクターよりも監督向きだよね』と。細田さんにそんなこと言われたら!」と述懐。細田監督が「それでこんな良い作品を作るんだったら、僕はかなり先見の明がある」と爆笑すると、堤監督は「上手くいかなかったら細田さんのせいかな」と笑いを誘っていた。

 「素晴らしい映画を作った堤さん」(細田監督)、「お世辞抜きで一番好きなアニメーション監督なんです」(堤監督)と互いの才能を認め合う2人。コラボレーションの可能性に話が及ぶと、細田監督は「夢の1つとして堤さんと仕事をしたいというのはずっとあります」と意欲満々だ。堤監督も「一緒にやるチャンスがあれば、僕はずうずうしい性格なので、すぐにやるって言っちゃいますよ」と身を乗り出して応じていた。

 第29回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。