現代は創造力や発想力がモノを言う時代である。これらの能力を培うには、小さいころから自由に物を考え、疑問を持ち、議論する環境が欠かせない。もし、そのような環境を与えず、考え方を押し付けられるような教育を施されれば、未知のものに対して全く興味のない人間になってしまいかねないのである。(イメージ写真提供:123RF)

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 現代は創造力や発想力がモノを言う時代である。これらの能力を培うには、小さいころから自由に物を考え、疑問を持ち、議論する環境が欠かせない。もし、そのような環境を与えず、考え方を押し付けられるような教育を施されれば、未知のものに対して全く興味のない人間になってしまいかねないのである。

 中国メディア・捜狐は26日、「台湾と日本の教育を見て、われわれの子どもたちがいかに愚かな教育を受けているかが分かった」と題した文章を掲載した。文章はまさに、自由に考え、あらゆる物事に疑問を持つ姿勢を培うことが、今の中国の教育に欠けている部分であることを訴えているのだ。

 文章は、2つのエピソードを紹介。1つ目は、交換留学生として台湾で過ごした江蘇省の少女が、地元に戻った後でルームメイトだった台湾人ルームメイトを招待し、2人で遊びに行った時の話だ。ルームメイトは訪れる先々で少女に次々と質問を繰り出したという。例えば、博物館で「愛国主義基地と書かれているけれど、どういう意味か」と尋ね、入口のセキュリティチェックがどうしてこんなに厳しいのかと聞くなどだ。

 今までそんなことを考えたこともなかった少女が、答えに窮した末に「いわゆる『特色』よ。慣れてしまえばいいの」という煮え切らない返答をしたところ、ルームメイトから「一言で全部をまとめようとするのは、無責任な行為よ」と笑いながら指摘されたとのことである。文章は、この少女がルームメイトの「質問攻め」によって、自分に足りない点をはっきりと認識するに至ったとしている。

 2点目は、中国の教育視察団が訪れた長野県の中学校での話。歴史の授業で、サンフランシスコ条約と日米安全保障条約についてグループディスカッションが行われ、生徒たちが「日本が国際社会に復帰した」、「戦闘力のない日本が米国の保護を受けた」、「未解決の北方領土問題を今にまで残した」、「米軍を日本に残す結果になり、沖縄の基地問題を生んだ」など両方の条約の良い点と悪い点をそれぞれ挙げて議論したという。

 その後、視察団に含まれていた中国の学生に対して日本の教師が意見を求めようとしたところ、中国の教師が「彼らはこのような教育に慣れていません。特に歴史科目には決まった結論があり、これに対して良し悪しを議論することは、中国の授業ではあまりあり得ないことです」と口を挟んだとのことだ。文章は、このエピソードについて「これこそが、われわれが常々言うところの『差』なのである」と評している。

 どちらのエピソードも歴史や政治に多少なりとも関わる内容であり、より「気にせず慣れてしまえばいい」、「良し悪しの議論はあり得ない」という要素が強くなっている感はある。2点目は国語や科学系の科目であれば、反応が違ったかもしれない。ただ、裏を返せば歴史や政治に関わるテーマについて、教育の段階から自由な議論が制限されているとも言える。中国で子どもたちに自由な発想の場を提供する教育を行うためには、この点についても考える必要がありそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)