レンジャーズ・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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球速の上昇と制球力の向上に高い評価、「手術は成功しリハビリは上手くいった証」

 昨年3月に右肘靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、今年5月に復帰したレンジャーズダルビッシュ有投手が、地元紙の記者やファンから「A」評価を受けた。来季へ向けて「さらに良くなる」と予想する声も出ている。

 テキサスの地元紙「ダラス・モーニング・ニュース」は「レンジャーズを格付け:トミー・ジョンから劇的復活、ユウ・ダルビッシュがエースとして戻ってきた」のタイトルで特集記事を掲載。ダルビッシュの今季の活躍を番記者が採点している。

 2015年シーズンを棒に振ったダルビッシュは今季、5月28日のパイレーツ戦で復帰。右肩の張りによる離脱もあったが、17試合に登板して100回1/3を投げ、7勝5敗、防御率3.41、奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)11.8という成績を残した。

 同紙のレンジャーズ番を務めるグラント記者は、記事の中で「今シーズン、トミー・ジョンから復活し、ダルビッシュの球速は上昇した。また、与四球率(9イニングあたりの四球数)は下がった。そしてK/BB(奪三振÷四球)は上がっている。手術は成功しリハビリは上手くいった証だ」と、球速の上昇と制球力の向上を高く評価している。

読者へのアンケートも「A」評価が最も多い46.34%

 さらに、直球の割合が増えたことを指摘。一方で「どちらかと言えば、彼は自身最高の球であるスライダーに悩ませられることが多かった」として、「来季のスプリングトレーニングで修正すべきだろう」と進言している。また、5回を投げて4被弾を含む5安打5失点と崩れた地区シリーズ第2戦・ブルージェイズ戦の投球を「減点対象」として、ダルビッシュに「A-」の評価を下している。

 また、フレイリー記者も直球の割合が増えたことに触れつつ「制球力も改善された。与四球率は2.8だ」と、こちらも制球力が向上したことを紹介。ダルビッシュの過去の与四球率は、12年が4.2、13年が3.4、14年が3.1だった。フレーリー記者は、「三振を多く奪える投手であり、奪三振率は11.8を記録している」ことにも言及。奪三振率は、12年が10.4、13年はリーグトップの11.9、14年は11.3となっており、復帰1年目で自己最高に近い数字を残したことになる。「トミー・ジョン手術から復活した投手の傾向を見ると、2017年のダルビッシュは更に良くなるだろう」として「A」評価をつけた。

 記事では、読者へのアンケートも実施。5段階評価で、現地時間28日時点ではAが46.34%、Bが40.24%、Cが9.76%、Dが2.44%、Fが1.22%と「A」評価が最も多い。グラント記者は、以前の記事でダルビッシュの契約延長には6年総額2億ドル(約209億円)近くの金額が必要との見解も示しており、復帰1年目からインパクトを残したことは確かなようだ。