ニセ誘拐事件による振り込め詐欺が米国各地で多発(出典:http://baltimore.cbslocal.com)

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1年ちょっと前、アメリカでもいよいよ振り込め詐欺事件が起きるようになったことをお伝えしていた。その事件ではニセの交通事故が演出されていたが、古典的なものはやはり子供の誘拐による身代金要求である。犯人は大きなグループである可能性も高いとしてFBIが調査に乗り出している。

ボルチモアのメディア『CBS Baltimore』が、米メリーランド州の複数の家庭がほぼ同時期に振り込め詐欺の被害にあったことを伝えた。電話の主は決まり文句の「子供を誘拐した。警察に告げたら子供を撃つ」を口にしている。激しい不安と恐怖とですぐに身代金を準備するのが親の心情ではあるが、市民には「すべてデマですから騙されないよう落ち着いて冷静な対応を。できれば電話の内容を録音して警察に提出してほしい」と呼び掛けている。

同メディアはニセ誘拐の電話に実際に騙されたという母親たちを取材しており、彼女らは異口同音に「男のいうことを完全に信じてしまいました。撃つと脅されて何としてでもわが子を助けなければと焦り、言う通りにしてしまいました」と話している。XXX大学に通っている娘のXXXさんを誘拐した、などと情報が詳しいために信じてしまったケースも多いもようだ。その後の調べで発信元の多くはメキシコからであるというが、そうした連中はたびたび番号を変更し、ブロックしていることから番号のトレースはまず不可能であるという。

指定された身代金の金額は日本円にして数十万円と、決して支払えない額ではないことも多くの被害を生んだ原因であるようだが、FBIの捜査官エリック・アーバスノット氏は「複数の世帯が一斉にターゲットとなっていることから、ある程度の大きな組織によるものであろう」と述べ、一つのグループを潰してもまたすぐに新たな手口を考えた別のグループが現れる、いわばモグラ叩きの状態だと説明する。

「皆さんには常に警戒感を募らせていて欲しい」とアーバスノット氏。彼はSNSに潜む危険性をも指摘した。そこでは基本的な情報はもちろん、日々の投稿内容からも家族構成、勤務先、通っている学校、住所その他の情報が次々と明らかになってしまう。このたびの事件からは、犯人グループが高級住宅街の裕福な人々を選んでそのSNSのページをじっくりと閲覧し、各種の情報を得ていたことが考えられるという。

出典:http://baltimore.cbslocal.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)