史上初のGPファイナル4連覇へ向け、第2戦カナダ大会に出場する羽生結弦/(C)テレビ朝日

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■ 超高難度プログラムに絶対王者・羽生が挑戦!

【写真を見る】9月に行われた「オータムクラシック」で、前人未到の4回転ループを成功させて圧勝した羽生結弦/写真=YUTAKA/アフロスポーツ

氷上に弧を描き、華麗に、繊細に、そして力強く、美しきスケーターたちが舞い躍動する――。フィギュアスケートに魅せられし全てのファンたちが待ち望む季節が到来した。その主役は、何といっても現時点で世界の最高峰に君臨する王者・羽生結弦であることは、誰しもが認めるところだろう。 昨季、NHK杯、GPファイナルでとてつもない世界最高得点を連発、異次元の演技を披露したものの、世界選手権では惜しくも2位。その締めくくりは悔いの残る結果であった。

その悔しさを胸に、今季は現在まで誰も公式競技で成功させたことのない4回転ループを含む、フリーでは4本の4回転ジャンプを組み込む超高難易度のプログラムに挑む。

そのお披露目となった9月の初戦「オータムクラシック」で、羽生はいともやすやすと前人未到の4回転ループを成功させて圧勝した。しかし、演技後半にミスが出て思ったほど得点は伸びず、決して満足できる結果とは言えなかった。プロスケーターで解説者の織田信成氏は課題を残したこの滑り出しをこう評価する。

織田:五輪のプレシーズンは選手にとって思いっきり挑戦できる最後のシーズンといえます。羽生選手も4回転ループを組み込んだ演技での挑戦ですが、初めての試合でどれくらい体力を消耗するかは未知数でしたし、ケガの影響で練習もなかなかできなかったこともあって、ミスにつながったのかなと思います。でも決して疲れて跳べないということではなく、呼吸やちょっとしたタイミングの捉え方の問題だったという感じでした。大会までの期間に練習を積む中で、すぐに良くなるでしょう。

特に羽生の4回転ループには、他の選手の追随を許さない特徴があるという。

織田:4回転ループは、体を倒して右足に体重をかけます。倒れ過ぎて靴が氷に触れると転倒してしまうので怖さもありますが羽生選手のすごさは、グッと体重をかけてしっかり回転をかけ上に跳び上がることができるところ。そして、脇が開かずきちっと足が閉まっている空中姿勢の美しさ、軸の細さが素晴らしいです。スピードを生かした高さのあるジャンプから着氷する際も、膝を柔らかく使えていて、降りる衝撃を全身でまとめてランディングするのがうまいですね。

そして、成果が問われる最初の関門が今週10月29日(土)から開催されるグランプリシリーズ第2戦カナダ大会だ。史上初のGPファイナル4連覇が懸かるこの絶対王者・羽生を脅かすライバルたちの動向も気になるところだが、織田氏は、羽生と練習を共にするスペインのハビエル・フェルナンデスの名をまず筆頭に挙げる。

織田:年々、4回転ジャンプが安定してきています。昨季の世界選手権でも完璧な演技で優勝していたので、やるべき大会できちんと良い演技ができる精神的な強さはすごいですね。

また、羽生に先駆け、4回転フリップを世界で初めて成功させ世界を驚かせた若き新星・宇野昌磨の存在も、「昨季シニア1年目で世界上位6人が出場するGPファイナルに出ただけでもすごいのに、表彰台に立ったのは素晴らしい。羽生選手と切磋琢磨して頑張ってほしいです」と、その才能を称賛する。当然ファイナルで相まみえるであろうこれらライバルたちを迎え、羽生のGP4連覇達成に死角はないのだろうか?

織田:世界のトップ選手が4回転ジャンプを何回跳ぶのかという戦いになりますが、羽生選手は、高さ、軸の細さ、着地の美しさ、全てで高い得点が期待できます。そして、技と技のつなぎ、ダンスの魅力、世界一のトリプルアクセルも注目です。絶対4連覇できると信じています

GPファイナル4連覇、そして平昌五輪へ向け羽生結弦の新たな伝説の第一歩となるカナダ大会。まさに必見の中継である。