W杯出場絶望で習近平体制に危機?

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 サッカーのワールドカップロシア大会のアジア最終予選で中国代表はシリアとウズベキスタンに連敗したうえ、代表監督までが責任を取って辞任した。2018年開催の本選への出場は絶望的な状況だ。

 このため、ネット上では「監督まで辞めてしまったのだから、中国チームは解散し、サッカー協会幹部にも消えてもらおう」や、「税金の無駄遣いをやめて、他のもっと重要なことに使うべきだ」などとの中国のサッカー偏重を批判する書き込みがみられている。

 中国チームは6日、ホームゲームでシリア戦に敗れたのち、11日夜にはアウェイのタシケントでのウズベキスタン戦でも0-2で敗れた。

 この連敗で、4試合を終えた中国はアジア最終予選グループAの最下位に沈んだ。中国のW杯本戦への出場はほぼ不可能となり、この責任を取って、高洪波監督が辞任した。

 とはいえ、中国は同じグループに属するイラン、ウズベキスタン、韓国、シリア、カタールと、まだあと6試合も残している。しかし、後任の監督として手を挙げる勇気ある人物はおらず、後任が決まるまで、高氏が指揮をとることも考えられる。

 そうなれば、もはや戦意喪失した監督の下で、選手たちは戦わなければならず、残り6試合全敗という悪夢が現実のものになることも覚悟しなければならない。

 中国のサッカー界は最高指導者の習近平国家主席は無類のサッカー好きで、「中国のW杯優勝」という非現実的な夢をサッカー大国のドイツ訪問時に真顔で語るなど、中国サッカー界にとっては救世主のような存在だ。

 習氏の肝いりで、中国国家発展改革委員会(発改委)は今年4月、「中国サッカー中長期発展計画(2016-2050年)」(以下、計画)を発表し、サッカー強化が国家の長期計画に組み入れられ、複数の関連支援策を受けることになった。「計画」は、「第13次5カ年計画(2016-2020年)」期間中に「アジアで一流の、世界的に有名な」サッカークラブを2〜3チーム育成し、中国のサッカーブランド確立と世界への影響力拡大を目指すというもの。

 現在、中国には体育の授業にサッカーを採用している小中高校が約5000校あるが、具体的に、それを2025年までの10年あまりで10倍の5万校に増やす。また、中国サッカー協会を、スポーツ政策を統轄している国家体育総局から独立させ、権限を強化させることや代表チーム専用のトレーニングセンターを2カ所新設することも盛り込まれている。このプランにかける予算は明らかになっていないが、ばく大な費用がかかるとみられる。
 
 とはいえ、ネット上では「肝心の中国のナショナルチームがこの体たらくでは、いくら予算をかけてもどぶに捨てるようなもの。それを貧困層解消対策に充てた方が効率的だ」との書き込みも見られる。

 ちなみに、中国では1日あたり1ドルで暮らす7000万人存在し、1日あたり1〜1.25ドルで生活する人々を併せれば、合計で1億人前後の「絶対的貧困層」が存在しているといわれる。