自動ブレーキシステムの意外な盲点、「自動洗車」で立ち往生が多発 

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完全な自動運転車の登場はまだ少し先のことになりそうだが、例えば自動駐車や車線逸脱警告、車線変更支援などの半自動運転システムを搭載するモデルは、増加し続けている。中でも最も重要なのは、必要なときには衝突を回避するために、自動的にブレーキを作動させる技術だろう。

米道路安全保険協会(IIHS)によると、米国では自動ブレーキシステムによって追突事故が40%減少し、人身事故の賠償請求の際に申告内容でみると、負傷の程度は30%軽減されたという。自動車メーカーと規制当局は、軽自動車とトラックの大半を対象とした前方車両衝突回避システムに関する基準を定めて、2022年以降のモデルに搭載させることで合意している。

電気自動車大手テスラの「オートパイロット」システムが示したように、残念ながら現在の半自動運転技術は、まだ完璧には程遠い。そして、先ごろ発表された報告書は、自動ブレーキシステムを”混乱”させ、このシステムを搭載した車を「動けなくしてしまう」という驚くべき現状を(そして驚くほど頻繁に起きていることを)指摘している──その原因は、私たちが何気なくしている「洗車」だという。

原因は技術か、人間か?

自動車販売サイトの米ベストライド・ドット・コム(BestRide.com)によると14のブランドの車が、ブレーキシステムの一部のスイッチが切られていなかったことで、自動洗車中に全く動かなくなったことが報告されている。

原因は、衝突被害軽減ブレーキシステムに使われるセンサーが固体である「壁」と、生地でできた縦型ブラインド状の洗車用の「ソフト・ミッター・カーテン」を区別できないことだという。自動ブレーキシステムのセンサーにとっては、どちらも衝突を回避すべき大型で危険な障害物なのだ。洗車場を運営する事業者からも同様に、自動ブレーキシステムが原因で自動洗車中に車が動かなくなったとの報告が寄せられている。

電動パーキングブレーキシステムを搭載している車は、運転車が車を降りる際にトランスミッションをニュートラルにした上で、エンジンを切っておく必要がある。そのほか、中にはスイッチが切られているときには自動緊急ブレーキが作動した状態になる車や、スイッチを切る前にシフトをパーキングに入れなければならない車もあるという。

ベストライドが発行するニュースレターの編集長、クレイグ・フィッツジェラルドは、「衝突検知やオートブレーキホールド機能、その他の技術は2020年までに、標準装備として全ての車に搭載されるようになる」と指摘。「消費者たちは、簡単に、日常的に使っているこれらの技術が自分の意図しないところでどのような結果を招くか、理解していないのだ。洗車場に行く前に、情報は得ておいてほしい」と述べている。

洗剤とその泡にまみれて動かなくなったことが報告されているのは、以下のブランドの車だ。

アキュラ、BMW、クライスラー、ダッジ、フィアット、ジープ、レクサス、
メルセデス・ベンツ、RAM、ランドローバー、スバル、テスラ、トヨタ、ボルボ

こうした状況をさらに混乱させているのは、全ての半自動運転システムが、同じようにつくられているわけではないということだ。