金正恩氏

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北朝鮮の人権問題を担当する国連のキンタナ特別報告者が、11月中旬から下旬にかけて韓国と日本を訪問。日本では北朝鮮による拉致被害者の家族らとの面会を調整していると共同通信が報じた。

実現すれば、非常に重要なタイミングでの面会となる。

拷問や公開処刑

日本と欧州連合(EU)は27日、国連総会で人権問題を扱う第3委員会に提出する「北朝鮮の人権侵害を非難する決議案」を各国に配布した。決議案は31日までに委員会に提出、11月中旬に採決される見通しで、12月中旬には国連総会全体会議でも採決される。

国連で追及されている北朝鮮の人権侵害にはもちろん、日本人拉致問題も含まれる。

しかしそれは、日本人拉致が「問題の一部」であることを意味してもいる。

配布された決議案は、北朝鮮の人権状況を「深く懸念する」とし、政治犯収容所での強制労働や公開処刑、強制移住、拷問など「長期にわたる組織的で広範囲な人権侵害を非難する」と明記している。

(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

いずれも、重大な問題である。重大な課題が多すぎて、何から手をつけて良いかわからないほどだ。

日本はEUとともに毎年、国連で北朝鮮の人権決議を推進。金正恩政権を孤立させ、強い圧力を加えてきた。しかしそうすることで、どのようにして拉致問題が前進するのか、日本政府は青写真を持って取り組んできたのだろうか。

筆者の目には、そのようには見えない。

北朝鮮の人権問題に対する国際社会の注目度が増し、さらには米国が金正恩党委員長への「人権制裁」を発動した今、国連決議の推進役である日本は、「われわれの関心事は拉致問題だけですから」などという態度を取ることができなくなってしまった。

それにも関わらず、安倍政権は北朝鮮との国交正常化が前提のストックホルム合意にすがり、「対話を模索」するふりをしている。この状況下で日本と対話したところで、実利を得られないということは、北朝鮮もわかっている。これが、拉致問題が膠着している理由だ。

安倍政権はこの機会に拉致問題への取り組みの失敗を認め、新たな青写真を描き、日本政府がどのような政策を進めていくつもりであるかを、国際社会にはっきり説明しなければならない。