やったことを後悔している? ならアラスカでも思い浮かべて

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恥ずかしさや罪悪感を覚えたとき、冷たいものを摂取することで心理的にもクールダウンでき、感情を整理することもできるとした研究結果を、カナダのウェスタンオンタリオ大学と米ライアソン大学の研究者らが発表した。

人間は主観的かつ感情的な体験が、身体反応に大きく影響することがわかっており、恐怖したときの鳥肌や身体の硬直感などは、その代表例のひとつ。

今回、研究者らが注目したのは後悔をしたときの身体反応。先行研究で、「人間は恥や罪悪感を覚えると温かさ(体の暑さ)を感じる」としたものがあり、実際に血管の収縮(顔が紅潮する)や体温上昇を計測した研究もあることから、「後悔をしたときに冷たくすれば、その感情を抑制できるのではないか」と推測した。

研究ではまず、被験者157人を2つのグループに分け、一方には「自分がおこなったことで後悔したこと(恥や自責の念を想起させる)」を思い出すように、もう一方には「自分がおこわなかったことで後悔したこと(嫌悪感などを想起させる)」を思い出すように指示。その後、軽食を提供するので、冷たい飲食物か温かい飲食物を選ぶよう伝えた。

すると、「自分がおこなったことで後悔した」グループは95%が冷たい飲食物を選択した。

自意識に関係する後悔は体を温め、その後は体を冷やそうとする傾向にあると考えた研究チームは、実在する冷たいものではなく、冷たいイメージでも効果があるかを検証するため、さらに別の被験者119人を対象に、架空の株の売買を持ちかける実験をおこなった。

「購入する」と回答した人には「株価が50%も下落した」、購入しない人には「株価が50%上昇した」と伝え、どちらにも後悔を覚えさせるようにしたうえで、それぞれをアラスカかカリブ海のクルーズ客船ツアーのCMを視聴するグループに分け、視聴後に「今回の自分の行動を後悔しているか」とアンケートを実施した。

その結果、アラスカクルーズのCMを見たあと「後悔している」と回答した購入者は約45%だったのに対し、カリブ海では約52%となっていた。非購入者ではどちらのCMでもあまり感情に変化は起きなかったという。

研究は、2016年9月2日、米消費者心理学会誌「Journal of Consumer Psychology」オンライン版に掲載された。

参考論文
The Warmth of our Regrets: Managing Regret through Physiological Regulation and Consumption.
DOI: 10.1016/j.jcps.2016.08.008

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