先日、国際体操連盟(FIG)の理事長に日本体操協会の渡辺守成専務理事が選出された。リオ五輪の男子体操団体で日本に敗れるなど思わしくない成績に終わった中国の体操界について、中国国内からは早くもネガティブな言論が飛び出しているようだ。(イメージ写真提供:(C)Leonard Zhukovsky/123RF)

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 19日、国際体操連盟(FIG)の理事長に日本体操協会の渡辺守成専務理事が選出された。リオデジャネイロ・オリンピック(リオ五輪)の男子体操団体で日本に敗れるなど思わしくない成績に終わった中国の体操界について、中国国内からは早くもネガティブな言論が飛び出しているようだ。

 中国メディア・捜狐は27日、「リオで惨敗した中国の体操、東京ではもっとひどいかもしれない」とする記事を掲載した。記事は、リオ五輪において中国の男子体操チームが「不公平な扱いを受けた」こともあって、「32年の歴史で最悪の成績に終わった」と紹介。一方、ライバルである日本は団体で金メダル、個人総合でも内村航平選手が優勝と目覚ましい活躍をみせたことを伝えた。そのうえで「日本にとってさらなるグッドニュースが生まれた」として、渡辺氏のFIG理事長当選を紹介した。

 そして、体操のルールは五輪のサイクルごとに変更や改善が行われ、中国代表がリオ五輪で惨敗を喫したのもルール変更の影響があると説明。渡辺氏の理事長就任後にもさらなるルール変更が推進されることになるとし、次回の五輪開催地が東京であることもあいまって、日本にとって大きなアドバンテージになると論じた。

 一方、現在のFIG理事長であるブルーノ・グランディ氏から「ロボットのよう」と指摘された中国代表は、日本をスタンダードとする「美しい体操」への対応を含めた新ルールへの適応に向けてより多くの努力やトレーニングが必要とされると記事は説明。新旧交代が上手く行かない状況でのルール変更は中国代表の足並みをより乱すものとなり得るが、「どんなものであれ、中国代表が速やかに新ルールに適応し、新しい科学的なトレーニングを取り入れることで、東京五輪にて良い成績を勝ち取ることを願いたい」とした。

 この期に及んでなおもわざわざ「不公平な扱いを受けた」という文句を挟むのはいささか大人げないが、最後の結論は至極真っ当である。ライバル・日本の動きも気になるだろうが、まずは自らを立て直すことに専念しないことには、中国の復活はままならない。そして「仮に東京で日本に負けたとしても、ルールや判定、日本びいきの会場、連盟の会長が日本人である、といった言い訳がつく」と考えていてはダメだ。どんな状況においても最高のパフォーマンスを発揮して金メダルを取るという意気込みも、これから4年間の中国にとって必要なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Leonard Zhukovsky/123RF)