日本各地の工場などで働く中国人技能研修生の数が近年減少傾向にあるという。中国メディア・新華網は26日、日本で働く「うまみ」が薄れたことで、日本での就業を選択する中国人が減っているとする記事を掲載した。

 記事は、日本はかつて「多くの外国出稼ぎ労働者にとって良い目的地だった」と説明。整った環境や周到なサービスで、多くの中国人観光客を呼び寄せている日本だが、出稼ぎ労働という観点で見た日本の魅力は「以前ほど大きくない」とした。

 そのうえで、山東省で活動する出国労務サービス業界関係者が、「現在、日本への労務人員の応募状況は全体的に思わしくなく、どんどん集めるのが難しくなっている」と語るとともに、その背景について「中国国内の賃金が高くなり、同水準の賃金であれば国内で働くことを選ぶ傾向が強くなっている。若い人は多少辛い仕事でも故郷を離れたがらない」と説明したことを伝えている。

 さらに、この状況を裏付けるデータとして、日本の法務省が発表した在日外国人に関する統計データで、2013年に10万7174人だった中国人研修生の数が14年には10万93人、15年には8万9086人と年々減少し、外国人研修生全体に占める中国人の割合も低下していることが明らかになっているとした。

 記事は、衆議院で25日に外国人技能研修生の対象職種を介護職にまで拡大する法案が可決されたことを紹介。より多くの外国人労働者を呼び込もうとする日本政府の動きに対して、業界関係者が「日本への就労ブームが起こることは考えられない」とし、「技術だけでなく厳しい日本語の要求も出てくる。今、中国国内でも介護職に就きたがる人がいないのだから、日本へ行って従事する人を集めるのはさらに難しそうだ」と説明したことを伝えた。

 外国人技能研修生については、これまでにしばしば過酷な労働が指摘され、脱走して行方が分からなくなったり、自殺したりというトラブルが取り沙汰されてきた。この制度に対して良い印象を持っていない中国人も多いのではないか。そして、経済成長に伴う生活水準、賃金の上昇によって「わざわざ外国で辛い仕事しなくても良い」状況も加われば、中国人技能研修生が減少するのも不思議ではない。中国の経済成長は、日本国内の労働力確保にも少なからぬ影響を与えたようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)